ボンゴレ島物語

□8、不思議
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「そうです!ツナさん、見て下さい!!」
じゃ、じゃ〜んという効果音を口にしながらハルは一枚の和紙を取り出した。
普通のサイズよりも大きいそれには黒い何かのシルエット。
良く見れば魚の形をしている。
「ハル、ヌシを釣ったんですよ!ヌシは神様と同じですから魚拓にして離しました」
魚拓にするのもどうかと思ったがハルが嬉しそうなのでよしとすることにした。
「へぇ。凄いなぁ・・・で、なんでハヤトのところ?」
「ハヤトさんなら他のヌシがどこにいるのか詳しいかと思いまして。ハル、ヌシをコンプリートするんです!!」
何かの使命のように瞳に炎を灯しハルは宣言する。
その姿が勇ましく、そして可愛いと思うあたりツナヨシはハルにベタ惚れだ。
そんな姿を見ていると嫉妬していた心はあっさりと落ち着いていく。
「それでわかった?」
「はい!まずは、この池のヌシです」
後はー・・・とハヤトに聞いたのだろうヌシの話をハルはする。
「そういえば池のヌシは春先にしか顔をださないはずなのにって凄く不思議がってました」
「そうなんだ?」
「はい」
ハルが来てから確かに島で不思議なことが少しだけ起きていた。
ただそれは害があるものではなく、心に優しさをもたらす何かなのだ。
懐かしいような、酷く愛おしいような、そんな感情を抱くものだと、不思議な事件に遭遇した者達は言う。
「ツナさん」
「うん?」
「地底湖ってどこにあるんですか?ハヤトさんに場所を聞いても教えてくれないんです」
危ないからの一点張りで、とハルは頬を膨らませる。
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