ボンゴレ島物語

□15、再会
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ため息を零したツナヨシが森の入り口に来たときジョットが森から出て来た。
「ジョットさん?」
呼び捨てでいいと言われたのだがどうも出来ずにさん付けで呼んでしまう。
そんなツナヨシの呼びかけに気付いたジョットがのろのろと顔をあげる。
なんだか様子がおかしい。
「体調が悪いんですか?」
問うがジョットはいつもの笑みを浮かべ、体調が悪いわけではないと告げる。
「ツナヨシ」
「はい」
「禁忌だとしてもそれを欲しいと願うことは罪だと思うかい?」
ジョットの質問にツナヨシは首を傾げる。
「禁忌、ですか」
「ああ。絶対に犯してはならないことなのだろうけれど・・・」
俺は・・・と思いつめたような囁きが零れ落ちる。
ツナヨシにジョットの葛藤はわからない。
だが、彼の気持ちはわかる気がするのだ。
「罪、だと思います」
「やはり」
「でもっ」
禁忌を犯すことは罪だろう。
それでも禁忌を犯してさえも欲しいというのは。
「悪いことではないと思うんです。禁忌を犯してそれが不幸か幸福かはその人が決めることです。周りは良い顔はしない人もいるでしょうけどもし、それを犯してでも欲しいと思うのは」
きっと。
「その人にとって幸福になるための必然だと思うから」
ツナヨシの言葉にジョットは目を見張る。
「ジョットさんがそれを望むというのならば俺は手を貸します」
「自分のこともあるというのにお人好しだね」
ジョットが苦笑を零し、ツナヨシは笑みを浮かべる。
「俺は信じていますから。俺とハルはどんなことがあっても大丈夫だって。絶対にハルと出会えるって」
焦りはあるが不安はない。
どこから来る自信なのかと問われればツナヨシにも答えようはないのだが。
「そうか・・・だったらお願いしようかな」
ジョットの言葉にツナヨシは笑顔を浮かべた。
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