青春の軌跡
□終わりの時
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屋上に吹き付ける風が俺の体をうつ。
楽しかった日々も、辛かった日々も、今日で終わる。コレで全てが無に還る――。
なのに今更……。
「やめろ若!」
「戻って来いよっ」
酷く焦った顔の宍戸さんと、泣きそうな顔の向日さんが叫んで来る。
今更なんだ。最も俺を嫌ってた二人が、真実がわかった途端これか。都合の良い事だな…。
「日吉やめや!」
忍足さんも珍しくデカイ声を出して叫んでいる。
あの人は暴力はふらなかった。ただあの人は、切り裂くような言葉の暴力と視線を降り注いだ。所詮は自分の手を汚さない卑怯者。
「日吉は部長だろ!?」
その部長をいらないと言ったのは誰だ鳳。俺はテニス部に必要ない。認めないと言った事、あの女が悪いとわかった途端、都合よく忘れる気か?自分の非を認めもせずに…。
「…日吉……」
「死んじゃダメだCっ、日吉!」
樺地は俺を虐めはしなかったな。ただ困惑して、どうしたら良いか迷ってた…。
芥川さんは必死に呼び掛けている。
いつも寝ていて知らないふりをしていたアナタも、さすがに後輩が目の前で死のうとしていたら起きるみたいですね。
「…日吉…………」
…跡部部長。
あなたは最初の頃は俺を信じてくれていた。けれどいつの間にか、俺とあの女、どちらの味方でもなくなって、部長として行動するようになった…。
部長として部を統括し、部を乱す事には口出しし、だからと言って俺の味方でもない――。
一番中途半端で、理解出来ない人。
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