□夏季
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それは私がちょっとした散歩道を歩いている時だった。
サンドウィッチと水筒を持って、暇つぶしに川っぺりで昼食でもと気分転換を測ろうとしていた時の事…
「わぁぁぁぁ…」
「えっ、え?迷子?こんなとこで?」
小さな袴姿の男の子が、大きな木の根元で踞って泣いていた。
さて、困った。
「ほら、大丈夫だよ。誰と逸れたの?お母さん?」
「さっ…佐助…」
「佐助?」
それっきり、何も聞いてもただ泣き出すばかり。
もうこれはどうしたらいいんだろうと悩んだ、ある夏休みの出来事だ。
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