短編置き場
□制御
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「さようなら。」
帰っては来れないのなら、私はここで見送る事しか出来ない。
何よりも主を優先する貴方が好きでした。
「そんな最後の別れみたいに言わないでよ。いい友人だったじゃない。」
「ええ、良い友人でした。」
出来る事ならば、その枠組みから外れたかった。
もっと先を歩みたかったのだ。
私は
「好きでしたよ、あなたが…」
「うん、俺様も好きだった。君程の…」
だめだと心に留め金を作る。知っている。
少しばかりの期待は、いつも胸で押し殺すしかないのだ。
「良い友人を持てて幸せだったよ。」
「…私もですよ、佐助さん。」
「「さようなら。」」
ふと微笑んだ彼の笑顔は、どこか寂しげで悲しげで…
今思えば、彼は私の気持ちを知っていたのかもしれない。
彼の亡骸は、私の手の届かない戦地へと紛れ去ってしまった。
制御
俺も愛していたかったけれど
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