きたないこみばこ

□拓鶴
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 三度目の射精に今度こそ鶴正は身動きがとれなくなった。自身の根元を締めながら鶴正から抜き出した拓人は同じく三度目の精を鶴正の腹に撒いた。拓人の先端から粘っこい白い糸が引く。

 その様子を見ながら鶴正はまた体の奥が熱を持つのに気付いたが、流石にもう勃起は出来ないようだ。

 一度目から鶴正の腹に撒かれた精を拓人の指が掬いあげる。粘度を見るように指先を動かしている様子がなんとも妖艶で、前にこっそり観たAV女優とは比にならないほどに鶴正を興奮させた。

 拓人は掬った精を口に含み、鶴正に微笑みかける。裸眼の鶴正には拓人の細かい表情が読み取れないが、見惚れてしまうのだ。

 恍惚の表情で拓人をぼんやりとみつめる鶴正の前で、拓人は残りの精も躊躇うことなく口に含めてしまった。

 ああ、もっと飲んで欲しい。鶴正は切望した。この人に自分の全てを差し出したい。精も身も心も言葉も全て。鶴正は萎んだそれを奮い立たせようとするも、限界を超えたそれはヒクヒクと小さく震えるだけだ。

 拓人はそれに気付いたようで、柔らかなそれを手のひらで包み込み刺激を与える。勃起が出来ないまま先走りが拓人の手をねとねとに汚していく。ぎゅっぎゅと抑揚をつけながらの刺激に鶴正は身を捩りながらも、拓人の手に股間を擦り付けながら快楽に涙を零す。

 濡れた目尻に拓人が口づけを落とし、唇を塞ぐ。舌と舌が触れ合うと苦々しい生臭い味が鼻に抜けた。初めての精の味に鶴正はむせ返ってしまう。それでも拓人はキスを続ける。精の味を鶴正に教えるように。

 そのあと鶴正は大量の先走りを出しながら達した。意識朦朧とする中で、拓人は手のひらについたその先走りを舐め取っていた。疲労で眠りに就きそうな鶴正に、拓人はもう一度キスをする。今度は、少々塩辛い…。鶴正は瞳を閉じ眠りに就いた。


『セックスのお味はいかが?』

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