NARUTO
□デイダラ≒猫∩デイダラ>猫!?
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んー、困ったなぁ......
雑誌を読むフリして、オイラの視線は家事をしている鬼鮫に向かう。
鬼鮫のやつ、かなり上機嫌だ。にしても鬼鮫の誕生日にプレゼントしたオイラの手作りエプロン、似合ってるぞ!!
なんせオイラの愛と芸術のこもった十八番イラスト入り鮫同化色(青色)エプロンだからなぁ、うんうん。
───っていう、こんな...誕生日にはりきったプレゼントしたのが悪いのか...?
付き合い記念日には手作りケーキ作ったしなぁ...。
おおおオイラ、母の日なんて行事忘れてたから...うん。
てか、鬼鮫はオイラの母さんでもなんでもないしな、うんんん!!恋人だ、恋人なんだぞっっ!
なのにっ...!なんでっ、なんであんなに上機嫌なんだよォッ!
なんか......オイラが鬼鮫にカーネーションとかなんかプレゼントしてくれるの待ってそうなあの感じ!!
「ん?」
やばいっ、鬼鮫と目が合っ───
「デイダラ、どうしましたか?」
「え、ええぇっ?いや、ややや」
慌てて喋れなくなるオイラのすぐ前に鬼鮫がやってきた。
「お顔が真赤ですよ。熱でも?」
鬼鮫の顔が心配そうになった。額当てをずらされて、そっと鬼鮫の手が額に触れた。
「違くてっ...!」
隠してちゃダメだっ!言わないと......!
「実は...実はオイラ、今日なにも用意してなくて...ごめんっ、鬼鮫!!オイラのこと嫌いにならないでっ」
鬼鮫の顔を伺う勇気もなくて、オイラは頭を下げた。
「はい?今日はなにがあるんですか?」
「え?」
鬼鮫はにこりと笑った。
「今朝、猫に会ったんですよ」
「??」
なんか、はなしが......
「野良猫らしくて、金髪よりの茶色のシマ猫で...貴方みたいだと思って、」
よく、わからん...........?
「デイダラを見て、つい顔が緩んでしまったようです。
今度、一緒に見れたらいいですね」
鬼鮫は恥ずかしそうに頭を掻いた。
オイラは間抜けな表情で、なんか頷いてた。
「可愛らしさも、やんちゃなところもそっくりだと思いました」
鬼鮫はオイラの額にちゅっとキスを落として、額当てを直した。
「......貴方には劣りますがね」
瞬間オイラの身体はカーッと熱を帯びた。
「それって───!!」
鬼鮫は照れ笑いをして、また家事に戻ってしまった。
あの鬼鮫の緩んだ顔が猫のせいって知ったら、ちょっと猫に嫉妬したかも。
でも、なんか嬉しいかも...よく分からねー気持ちだな...うん。
でも母の日ってこと、気にしてなくてよかった。オイラなんだか恥ずかしいかもな...うん。
鼻先に触れるくらい、オイラは雑誌に顔をぎゅーっと近付けた。