イナズマイレブン
□彼には天使という形容を
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輝の自宅に招かれた拓人はベッドに座るよう勧められた。
「狭くってすみません」
ニコニコと笑いながら床に座る輝を見、拓人はこちらに座れと、ぽんぽんと隣を叩いた。
「そうですか。それじゃあ」
ぴったり隣にくっついて座る輝に思わず拓人は微笑む。
「だっ、ダメですか…?」
拓人を見る輝が無意識に上目遣いになっている。
「いや、そんなことはないよ」
…可愛いな。
そう呟いて、青紫の前髪をあげ卵のようにつるりとした綺麗な額にキスをする。
そのままそっと押し倒そうとしたら、輝は拓人の腕にしがみついて来た。拓人は息をつくと、体重をかけ輝と一緒にベッドに倒れた。
「わわっ、神童さん!」
「ん…?俺を部屋に呼んだんだ。少しはこうなること、期待していたんだろ?」
図星と答えるように、輝の顔にぼっと火が点いた。頬をなぞり、赤い唇に唇を寄せる。
「んん…んっ…」
拓人の手が制服越しに輝の体を撫で上げた。驚いたように体が跳ねた。
「っあ、しんど、さっ…」
「輝、好きだよ」
恥じらいから目を閉じたままでいる輝の耳に普段よりも低い拓人の声が甘く響いた。
「ん…ボクも…すき…」
それだけのことに、腰が砕けそうになりながら輝は頷く。
拓人がくすりと笑う。ウェーブのかかった柔らかい髪が輝の顔をくすぐりながら、ちゅっちゅっと拓人は白い首筋にキスを落としていった。
その間に拓人は輝の学ランとワイシャツのボタンを外してしまう。
輝は不意に暖かい拓人の手のひらを晒した腹に感じ、声をあげた。
「ししし神童さんっ…!」
明らかに驚いた様子の輝に拓人は顔を上げた。
「どうしたんだ?」
「あっ、あの…その…今から何を?」
決っているだろう、と口を開きかけた拓人はきゅっと言葉を飲み込んだ。輝の動揺する顔が、その答えを示していた。
やめた。拓人は輝の素肌から手を離し、自分よりも少し小さな体をぎゅっと抱き締めた。
「また今度な」
「こ、今度って?」
拓人の言葉に疑問符を浮かべながら輝は首をかしげた。
「輝がもう少し大人になってからな」
「なっ!神童さんったらボクを子供扱いしないでくだっ…ん!」
子供のように反抗する可愛い唇を塞ぐと、途端に大人しくなり、拓人は口を離す。
「な、輝?」
むぅ、と渋々頷く輝の頭をよしよしと撫でる。
「今日、輝のご両親は?」
「母さんが夜勤で、父さんが出張中なんです」
「じゃあ、今日は輝の家に泊まって行こうかな」
「ボク、最初からそのつもりで呼んだんです。えへへ」
不意討ちの純粋無垢な笑顔に拓人はどきりとした。
輝のこの笑顔…もう少しこのままで居よう。
拓人が顔をすり寄せると輝は神童さん、とぴったり頬をくっつけて来た。