イナズマイレブン

□永久の契
1ページ/1ページ

「これでずっと一緒」
 部屋に響く重たい金属音は、井吹に諦めを示唆するように冷たい現実を見せていた。
 とくとくと肩から流れる血は神童の白い素肌を伝っている。井吹も自分の肩に触れてみると、同じように自分からも漏れ出る生暖かい液体が掌についた。それを目で確認したとき、思わずひっと引きつった声にならない叫びをあげた。
 神童は、井吹の手を取りその赤を一舐めした。薄暗い中で滑る艶めく舌先が、どうにも不気味で、それでいて妖艶さを井吹へ見せつけていた。
「素敵だろ?」
 かすれた声は嬉しそうに、井吹へ同意を投げかけていた。
 返事が出来ない井吹に、二人を繋ぐ銀色の鎖がもう一度地面を引きずり音をたてる。指を絡められて、ぎゅっと掌を重ね合わせる。詰め寄られる神童に白髪を撫でられ、目を閉じる。怖がる井吹の体をほぐすように、髪を撫でる手は頬に添えられ唇がそっと重なる。
 神童の唇は燃えるように熱く、熱でもあるのかと井吹は思っていたが、開いた口の隙間から血の気がないな、と言われて抱きしめられた。身体に穴を開けられて、血の気がなくならない方がおかしいだろうと反論したかったが、彼の接吻に阻まれてしまった。
 交わす口づけは段々と欲望を剥き出しにして、理性から本能へとシフトしてゆく。舌先がじんと痺れるほど吸われ、井吹からも血を舐めてきた神童の舌を求めて甘噛する。混じりあった二人分の唾液をこぼしながら、互いに形を変えた欲望を擦りつけあった。
 硬い床に押し倒される。薄着の上から神童の手が身体をまさぐってきた。身体に通したばかりの鎖を指に絡め、未だ血の止まらぬ傷口に唾液を流し込まれるように口づけをされた。染みて呻き声をあげると神童はくつくつと笑い声をあげた。そのうち血も痛みも止まるよ、と。

 ……目に見える幸せだよ。乾いた鎖の擦れあう音を聞きながら、神童は囁く。彼の下でゆっくりと全てを暴かれながら井吹は弱弱しく頷いた。



twitterのお題 私は13RTされたら、拓宗の「これでずっと一緒。素敵でしょ?」で始まるBL小説を書きます!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ