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□MY LOVE 2
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放課後ハルは、ひろみと十字街を歩いていた。



通り掛かった、お気に入りブランドの、ショーウインドウ前で立ち止まる。



マネキンが着ているスカートに微笑を浮かべながら眺めると、小首を傾げて下に表示されている値札を見ては、唇を尖らせる。



「あのチェックのスカート、カワイイな〜、欲しいな〜〜…… ねえ買ってひろみ様!」



「バーーーカ! 

ハルあんた、この前もこの店でワンピとスカート、衝動買いしてたじゃん! 

正直ちょっと呆れるってゆうかさ…いきなり、ナニ? どっか出掛けんの?

………ああっ! まさかデート!? そうなんでしょ!

だからこんな、女の子っぽい服ばっか買って!!」



急に胸元へ迫真の表情で詰め寄られたハルは、瞳を白黒させながら叫ぶ。



「ちっ、違う、全然違う!

 
あの、あ、そう! 好みが変わったの!

だから、買い集めなきゃって……わ、分かるよね? オンナノコ同士ですし…」



慌てて言い訳するハルに、ひろみは訝しげな目で見回す。



「ふ〜ん……でも怪しいんだよな、この間からさぁ。 何かいっつも上の空だし、どっか腑抜けて、ボーっとしてるし。」



「さ、さあ……気のせいじゃないの? あっ、アイス食べてこうよ!」



(どうしよ〜! バロンの事、バレないようにしなきゃ…)



ハルは何とか話題を逸らそうと必死になるが、ひろみは急に目を細めた真剣な顔になる。



「…ソレさ、あたしには話せない………大事な事なんでしょ? …きっと。」



「……ひ、ろ…」



告げられた言葉の重さに固まったハルの反応に、ひろみは直ぐに何時もの彼女らしい笑顔に戻る。



ひろみはマネキンに視線を投げると、店内の様子を背伸びしながら窺う。



「アイス! ストロベリーが食べたい! あ〜でも、新発売も見逃せないしな、どうしよ。」



そのままひろみはハルに背を見せ、アイス屋へ向かって大股で歩き出す。



「あっ、待って…」



追いかけて来る小走りの足音すらも、ハルは戸惑いの色を隠せなかった。



革靴が道路を蹴る小さな音を背中で感じながら、ひろみは目に薄っすらと涙の膜が出来る。




(あ〜あ………この前まで、あんなに側に居たのにさ。

バカやって、笑って、ずっとこのままで居られるだろうって…

どうして何にも言ってくれないの?

 
あたし、そんなに頼りない?

なんだよ! 一人で何でも抱えこんで…

ズルイ、悔しい…………羨ましい。

 
それだけ大きな『何か』が出来たって……

カッコいいよ……)




アイス屋の前で立ち止まって勢いよく振り向きながら、ひろみは真剣な顔で宣言する。



「今日はダブルで食べるから! ハルも付き合え!」



「ええ〜〜!! そんなぁ、食べきれるかな…」



先に自動ドアをくぐり、困惑の表情を浮かべながら俯いて品定めを始めたハルを、ひろみは一瞬切ない瞳で見詰める。




(けどさ……負けないんだから!! あたしだって隠し事の一つや二つ作ってやるし!)




鼻息を荒くしながら一歩前に踏み出し、満面の笑顔で店員に言う。



「ストロベリーと、キャラメルナッツと、レモンシャーベットをコーンで下さい!」



「1コ増えてる!?」
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