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□MY LOVE 5
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(くっ……足がふらつきやがるぜ。
 
なんっでアイツは全然平気なんだよ、クソッ……!

ああ、太陽が目に染みやがる… 頭痛が…気持ち悪……い…)





縄張りの見回りの為、十字街へ毎日出歩いているムタだったが、二日酔いの身体に初夏の日差しと気温が堪えていた。



眠ろうと屋根の上で目を閉じて努力してみるも、一向に睡魔はやって来る気配が無い。




(あぁー…… やっぱり今日は、来なきゃよかったぁぁー…

大丈夫だよな…俺様の敷地を荒らす奴はいない! 

そうだ、いるわけない、今日はいない!!

……帰ろう。 帰らせて下さい。 無理です。)




顔を歪ませ軽く半泣きしたムタは、普段よりも更に重く感じる身体を何とか奮い立たせる。



屋根の上から慎重に降り、裏路地を通り抜けて十字街を後にする。



屋根や細い塀から足を踏み外してしまわないよう、爪先だけに全神経を集中させ、猫の事務所への帰路を歩く。



体力、気力、観察力、洞察力。



全てが、フラフラ歩く今のムタには皆無に近い状態だった。



ムタの後ろ、十数メートル程下がった後方。






…………尾行者の気配を、全く気付かない程に。
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