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□それは愛の証
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今日は神楽の誕生日。酢昆布はいつもあげているが、最近神楽が興味を持っているものもわからない。
とりあえず酢昆布だと誕生日のプレゼント感覚ではないので、それ以外で何かをあげることにした。
旦那や姐さんの意見を参考にし、アクセサリーと迷った末に、遊園地へ連れて行くことにした。
「キャホー!遊園地アルゥー!ゆーえんちアルゥー!」
「んなハシャぐことかィ」
まるで今日初めてここへ来たようなハシャぎっぷり。
もしや本当にそうなのではないかと思い聞いてみると、予想通り、あたりまえだと返ってきた。
つまり俺は、旦那よりも新八くんよりも早く、神楽を遊園地に連れて行ったということか。
軽い優越感に浸っていると、神楽の声が急げと告げる。
「早くしないと乗れなくなっちゃうアル!」
「あぁ悪ィ」
「まずアレ乗りたいネ!」
そう言って神楽が指さしたのは、ジェットコースター。
「…アレはダメでィ。アレ乗るぞ」
過去のトラウマから遠ざかり、反対側に見えるコーヒーカップを目指して歩き出した。
「あっちのが楽しそうネ」
「お前アレ、大変なことになるぞ。デートコース回りましょうや」
「…だったら仕方ないアル」
なんとかしてコーヒーカップに乗ることが出来たが、それに乗り、ハンドルを握ると、どのカップより早くと、俺ら2人のいらぬ闘争本能が働いた。
「お前こんだけしか回せないアルかァ?」
「上等じゃねーかィ。吐いても知らねーからな」
「それはこっちのセリフじゃあー!!」
約3分間史上最高に回り続けたであろうカップから降りると、案の定フラフラ。
周りからはあの高速カップに乗ってたのはお前等だったのかと凝視された。
「うぷっ、ヤバいアル吐きそうアル」
「オイ今ここで吐くなよ」
吐いても知らないとは言ったものの、本当に吐かれては、知らないとも言っていられない。
それに忘れていたが、今日は神楽の誕生日で、デートしに来ているのだ。
「ちょっと休むか?」
「べ、別に気ィ使わなくても平気アル」
「そーかィ」
明らかに気持ち悪いオーラをかもし出しているが、大丈夫だと言い張る神楽。こういうところは関係が変わってからも全然変わらない。
「じゃあ次行くぜ」
「じゃあ次はアレネ!」
何を選んでも、順番待ちで酔いが醒めると思ったので聞くと、元気良く観覧車を指差した。
「まじでか」
死ぬかもしれない。観覧車なんてチューするために作られた乗り物じゃないか。
「総悟早く!」
「あ、あァ」
こんな時だからなのか、心なしか観覧車の並ぶ列が短い気がする。順番もすぐ回ってきて、たった一瞬で二人きりの空間が出来上がった。
「人がゴマのようだ」
いや間違ってんだろソレ。
馬鹿でかいターミナルを中心に広がる景色に夢中の神楽は、ラピュタのことも俺のことも忘れているであろう。
そろそろ飽きてきた俺は神楽に話しかけた。
「なぁ神楽知ってる?」
「なにをアルか?」
「観覧車ってチューするための乗り物なんだって」
すると顔を真っ赤にして、面白いくらい反応する。顔を反らされたが、それもそれで可愛い。
「神楽」
「なんだヨクソサド」
「誕生日おめでとうございまさァ」
そう言って、前もって買っておいた指輪を差し出す。
「そ、総悟大好きアルー!」
目を見開いていた神楽は、今にも泣きそうになって抱きついてきた。それに抱きつき返し、てっぺん手前で体を離した。
「神楽可愛い」
そんなことないと言われる前に、神楽の唇を自分のそれで塞いぎ、キスをした。
本当はもっとしていたかったが、無理をさせたくもないので、名残惜しく唇を離し、神楽の左手を手にとった。
「これからもよろしくな」
「もちろんアル」
そう言って神楽の薬指に指輪をはめた。
それは愛の証
(ちょっとおっきいアル)
(やっぱサイズは姐さんに聞くべきでしたねィ)
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神楽ちゃん誕生日おめでとーう!!!!
超ぎりぎりであと2分ほどで日付変わるんですが
神楽ちゃん愛してますよ!
ちなみに最後のは
銀さんに神楽の指のサイズ調べるのを協力してもらったけど
そんなロマンチックにさせるかと思ったお父さんは
ちょっと大きめにサイズ言ったよってゆー
…補足でした←
これからもおっかぐ大好きです^^