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□さもなくば
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「俺に何の用でィ」
放課後の教室に残るのは、今言葉を発した沖田と、そのライバルの神楽である。
もちろん2人しかいないのだから、これは神楽に対しての言葉だ。
『放課後残るヨロシ』そう言われたのは登校してすぐ。
沖田は神楽の話が気になって、いつもではあるが、とても授業を受けるどころではなかった。
チャイナが俺に話なんて珍しいこともあるもんでィ。しかも放課後なんて、まさか…
いやいやいや、無いよな。あーでも、もしかして…
そんな自問自答を繰り返してるが、沖田は容姿が良いので放課後に呼び出されるのはよくある事だ。そして内容はほとんど告白。
いつもは断ってるが、それが沖田が初めて本気で好きになった女となれば話は別になる。
ちなみに前までは美人に告白されたらほとんどOKだったが、神楽を好きになってから以降、めっきりなくなった。
まぁ今はそんなことは置いといて、冒頭へもどるのである。
言葉を発したが神楽が反応しない。ずっと沈黙というくわけにもいかず、沖田が口を開いた。
「おい」
「なんで今日遅刻したアルか。しかも来たのが最後の授業が終わる20分前なんて、お前は何様のつもりネ!!私が一人で日直する羽目になったダロ!!」
「は?」
「歯じゃないアル!」
…なんでィ。またこんなんか。
チャイナはなんも分かってない。
いや、何度目か分からない期待に胸を膨らませた俺がバカだったんでさァ。
「俺が悪ィよな、これは」
「は?」
「歯じゃねぇ」
俺ァもう帰りますんで、そう言ってドアに手をかけたら、チャイナに引き留められた。
「待つアル!沖田…
お前、日直だから私が日誌書くまで帰れないネ」
あぁ神様、俺は何か悪い事したんですか?出来ることなら、この鈍感チャイナ娘をどうにかして、俺を救ってくだせェ。
さもなくば
(俺が神になりまさァ)
(お前はどこの夜神さん気取りネ)
(何勝手に心の声聞いてんでィ)
(今の心の声だったアルカ!?)
*****
はい、本来の計画では沖→(←)神だったんですけど
完全に沖→神です。
勘違いもいいとこだぜ沖田さん←
でも絶対沖田ならそうなると思う!
何回も期待して、ガラスのハートがどんどん傷ついてると思う!!