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□きっとこれは
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私が任務を終えて、久しぶりに帰ってきた木ノ葉は、出たときと変わってなくて、ただ一つ変わったことといえば、私の幼なじみが熱を出したこと。
「あんたバカねぇ」
「っるせぇ」
せっかくお見舞いにきたのに、そんなこと言うなんて元気じゃない。そう思ったけど、シカマルの顔は少し赤くて、額に触れるとやっぱり熱っぽかった。無理やり熱をはかったら軽く38度超え。
「薬は?」
「下に取り行くの面倒くせぇから飲んでない」
「はぁ!?」
シカマルの考えてることは、今までの経験上、大体は理解できるけど、熱出てんのに薬飲まないなんて理解できない。
こいつらしいと思ったけど。
あ、じゃあ注射打ってあげよう
「薬飲まないなら私が注射打ってあげる!」
「じゃあ俺薬…」
「だめよ!その方が早く治るし!」
ね! と言えば渋々分かったと言うのは知っているから、ちょっと可愛い子ぶってみて、渋々分かったと言ってもらって、注射器を取り出した。
「…打って良い?」
「どーせ嫌っつっても打つんだろ」
「もちろん」
失敗したらごめんね、なんて言ったけど、失敗する気なんてない。
だけど注射が痛いのは仕方ないから、痛いのは私のせいじゃない、と自分に言い聞かせ『さぁ、頑張ろう!』と意気込んだ。
「…本当に良い?」
「いいから早く打てよ」
といった感じのやり取りがいつまでも終わらない。
そんなに見てんじゃないわよ、緊張すんじゃない!
と言いたくても、自分から打つと言ったから、そんなこと格好悪くて言えない。
これは私にも熱が移ったのかもしれない。
顔が熱くて、心臓がバクバクして止まらないわ。
「いの?」
「え、なに?」
無理しなくてもいいんだぞ、なんて優しい言葉で、さっきよりも体が熱くなる。
「む、無理なんかしてないわよ!」
「そうか?」
「そうよ!早く腕出して!」
そう言い腕を出してもらって、音を付けるなら『ブスリ』という感じに注射器の針を刺しそうになりながらもちゃんと打てた。
「熱移ったかもしれないから帰る。あんたの部屋暑いし」
「俺は寒い」
「私は暑いの!」
絶対熱が出ている。
シカマルのくせにちょっと格好良く見えたり
優しくされたらいつもより嬉しかったり。
あぁ、私の脳みそが溶けてしまいそう。
シカマルごときにどうしたのよ私!
これはきっと
(熱が移されただけなのよ!)
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1000hitありがとう企画?1位だったので書きました^^
なんかいのちゃんがツンデレ…
あれ?いのちゃんってこんなだっけか?
とか思ってます←