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□約束しなくても
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今日は珍しく真面目に見回りをしようとしたがチャイナを発見し、いつものように土方さんを欺いて公園へ来た。
するとチャイナはベンチで酢昆布をくわえ、ガキ達をジッと、そりゃあもう穴があくほどジッと見ていた。
するとそれに気付いた子供は走って公園を去って行った。
ここは善良なお巡りさんの出番だ。
「オイそこのチャイナ娘、公園はみんなのものだぜィ?ガキのこと睨みつけてんじゃねーやい」
「なぁサド、ゆびきりげんまんなんとか…って何アルか?」
善良なお巡りさんの質問には何ひとつ答えず、逆に質問をしてきた。しかも今質問したことに何も関係のない。
急にそんなことを言われ、しばらく何も反応しないままでいたら、さっき居た子達がそんな歌を歌ってたと言ってきた。
確かに俺がここに来たとき、指切ったと歌っていた気がする。
「お前そんなことも知らないのかィ?ありゃ約束歌みたいなもんでさァ」
「マジでか」
するとコイツは何を思ったのか、私もやりたいアル!とおもっきし俺に向かって言ってきた。
「約束することなんかねーだろィ」
「でもやりたいアル!」
「でもなァ、」
と、ここまで言葉を発したところで俺は良いことを思いついた。
我ながら頭のキレが最高に良いと思う。
「仕方ねーな、これだからガキは」
言葉ではそう言いながらも、俺は次の瞬間チャイナの手に、と言っても小指だけだが触れることが出来ると内心ドキドキしている。
いつからか好意を抱いていたのか、どこをどう間違ったのかは知らないが、俺は相当チャイナが好きらしい。
ザキと土方の野郎はともかく、旦那にまで知られていたのだから。
そんな思考を巡らせる間に小指は繋がり、今になって公園だと気づいた。
周りではチラチラと人が見ているが、チャイナは気付いてないらしく、なんの前触れもなく『せーのっ!』と言いだした。
「…………早く歌えヨ。私歌詞わかんないネ」
一瞬耳を疑ったが、さっき聞いたばかりの歌をすぐに覚えている訳もなく、俺はチラチラみてる奴らに黒いオーラを送りつけ、何メートルも離れたのを確認し、小さい声でだが歌った。
「じゃあ約束だからなチャイナ」
そう言うと、わからないとチャイナは首を傾げ、何も約束なんかしていないと言った。
「何言ってんでィ、今約束しただろ結婚の」
「だっ!誰がお前なんかとするアルカ!」
予想はしていたが返ってきた反応は良くない。てか悪い。しかし俺とチャイナはもう指切り=約束をしたのだ。だから仕方ない。
「嘘ついたからには針千本飲んでもらいまさァ」
あ、あとゲンコツ一万回
そう付け加え、ニヤリと笑う。
猛反論されるかと思いきや、チャイナは黙り込んでしまい、そんなに嫌だったのかと思うとガラスのハートが粉々に砕け散ってしまいそうだ。
しかし数秒後、真っ赤になりながらチャイナに言われたのは予想外の一言。
「し、仕方ないから結婚してやってもいいアル!」
約束しなくても
(俺はお前を嫁にするつもりだったけどねィ)
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約束歌ってなに、沖田になに言わせてんだよバカ←
子どもしか歌わない割には内容恐ろしいですよね、
指切り・げんまん・針千本飲ますとか(--;)