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□奇襲デート
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神楽とのデート中、周りから刀の音が聞こえたかと思うと、数人の攘夷浪士に囲まれた。


真選組という特殊な仕事柄、こんなことは日常茶飯事だが、今は神楽とのデート中。

邪魔をされたことと、非番なのに相手をしなきゃならないことにイラついて、すぐに片付けた。




「大変アルナ」


「こんなの雑魚でさァ」




日常に襲ってくるのは所詮雑魚だけだ。大物は何日張っても尻尾を見せちゃくれない。だからこんなの本当に屁じゃない。


最初の内は神楽を狙ってくるのではないかと心配だった。

しかし、俺たちは様々なバトルをあちこちで繰り広げて、神楽の強さは知られていたので神楽に危険が迫ったことはない。




「あ、そういえばさっき"沖田さんと飲んで下さい"ってジュースを貰ったネ」




そう言って神楽が持っていた袋をガサガサと漁り、中からピンク色の空き缶を取り出した。

何かと思考が停止していたが、「全部飲んじゃったアル」と言い、謝った神楽を見て、さっき貰ったジュースがコレだと分かった。




「別に大丈夫でさァ。どうせ俺飲まねーし」




良かったと神楽が安堵すると同時に、本日二度目となる刀の音。


今日の奴らは俺がデートをしているのを知っているのか何なのか、いつにもましてしつこい。




「しつこい男は嫌われますぜィ?」


「お前が言える立場じゃねーダロ」


「俺は若いし容姿端麗だから良いんでさァ」




自意識過剰とかキモイアル

そんな俺に惚れたのはお前だろィ

と言い争っていたら、浪士の内の一人がしびれを切らし、痴話喧嘩は止めろ!と神楽を人質に取った。


あいつ絶対ェ許さねー。一番苦しむ死に方で殺してやる。




「神楽から手を話してくれませんかィ?」




ドスの利いた声で言うと、多少怯んだが、離す気にはならなかったらしい。


マジ絶対ェ殺す。今スパンと斬ってやろうか…

なんて思うがそれでは痛みも何も感じないまま死んでしまうから、一生苦しむように生殺しにしてやる。


とりあえずここは神楽に任せるとしよう。

神楽は人を殺さないから、良くて気絶、悪くても複雑骨折くらいで済ませるだろう。




「この女、抵抗しないな…」


「天人の力を弱める薬をジュースと称して与えたからな」




どうやらあのジュースは薬だったらしい。

しかも神楽が一人で飲むのも計算済み。

どこまで調べたんだこの男たちは。




「神楽か夜兎なのをご存知でその薬を?」


「夜兎でも子供だ。効き目が弱いのは知っているがそれで充分」




ニヤリと俺が笑ったのを合図に神楽も笑い掴まれていた腕を振り払う。

そしてその男に攻撃し、俺はその間周りにいた男たちを攻撃。

ものの数十秒で片付いた。




「子供でも夜兎アル」


「そして俺の女だぜィ」




そんなに弱いわけがないと強さアピールをし、それから本日二回目の電話をする。

土方に、なんでお前ばっかり狙われるのかと愚痴られたので、俺が容姿端麗で可愛い彼女がいるからじゃないですかと言おうとしたが容姿端麗と言う前に切られた。

死ね土方。




「また土方さん来るまで待たなきゃいけねーし、今日は悪かったな」


「別に大丈夫アル。それに総悟格好良かったネ!」


「かぐ…」


「沖田さーん!」




この甘い雰囲気をぶち壊したいのか、電話をしてからそんなに経っていないのに、すぐ山崎がきた。

とりあえず山崎死刑決定。




「ちょ、理不尽すぎますよ!」


「じゃあさっさと片付けろィ。俺ァまだデート途中なんで」




そう言って、神楽の手を引き去っていくとき、山崎がなんか言っていた気がするが、多分気がするだけだ。

それに神楽があんなデレるなら、たまにはこんな日も悪くはない。










奇襲デート
(総悟、酢昆布)
(俺ァ酢昆布じゃねーよ)
(買えってことアル!彼氏ならそんくらい分かれヨ!)
(お前、さっきのデレはどこ行ったんでィ)






*****
常にあるんだろうな、こんなこと
と思って書いきました。

霧江に襲われてましたし
動乱篇では土方さんも襲われましたし…
いつでもどこでも狙われてるんじゃないかな、と。


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