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□いつだって鬼は
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なんだこれは、新手の嫌がらせか?
今この瞬間。俺が帰ったら寝ようという計画が潰れた。理由は部屋でいのが寝てるから、という単純なもの。
てかそこ俺のベッドなんですけど…。
なんで居るのかよりそっち先に思うのは、帰ったらいのが部屋に居ることに慣れてしまったからなのか、それともただ単に眠りたいだけなのか。
でも今、そんなことはどうでもいい。大変なのはいのが居る事ではなく、いのの格好だ。
今日はオフだったらしく、夏らしいワンピースを着ていて、そして寝てる間にめくれたであろう裾からは太ももが見えている。
なんつーか、際どい。
部屋が暑かったせいもあって、額も首も汗だくで…ヤバい。
何がヤバいかって色々とヤバいが、一番ヤバいのは俺の理性。耐えろ、耐えるんだ。
「ん…、あ、お帰りシカマル」
「お、おう」
一瞬ビクッとしたが、とりあえず起きてくれて良かった。
あのままだったらどうなっていたかわからない。
「つーかお帰りじゃねぇ、なんでお前が俺のベッドで寝てんだよ?」
「だってあんた、いつまでも帰ってこないし、することないし、そしたらいつの間にか寝ちゃった」
「っお前、俺だったから何もないけどなぁ、世の中には寝込みを襲ったりする奴も居んだからな、もう人の部屋で寝たりすんじゃねぇぞ」
ただでさえ、いのを好いてる男がいるというのに(俺もだけど)そんな奴の前でこんな事されちゃあ、もう終わりだ。男なんて所詮そんな生き物だ。
俺、良く頑張ったな。
「男がそんな生き物だって事くらいわかってるわよ!」
「お前はわかってねぇ、現に今寝てたじゃねぇか」
それとも俺はいのの中で、男には入ってないってことか?そんな自問を心のなかでいくつかしていたら、いのが口を開いた。
「……から」
「は?」
「別にあんたなら、シカマルなら良いと思ったから!!もういいわよバカ!!」
そんな大胆発言をして、いのはさっさと部屋を出ていってしまった。
にやけそうになりながら、いつものボーカーフェイスを保ち、いのを追う。
めんどくせーけど変な虫がつく前に早く見つけ出さないとな。
いつだって鬼は
(早い…なんでわかったのよ)
(昔からお前はわかりやすいんだ)
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ボーカーフェイス保ってるけど
シカマルは心の中でガッツポーズしてればよいよ!
そしてシカマルはいのちゃんに
ずっと振り回されれば良いと思う^^←