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□長編
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銀魂高校の生徒達、てかほとんどは教師達が、待ちに待った銀魂高校体育祭が始まり、早1時間。

因みに先生方の気合いが半端じゃないのは、優勝チームのクラス担任は給料アップと言われたからなので、決して気のせいではない。




そして、この体育祭で一番気合いが入っているのではないかと思われるのは3Zの担任、坂田銀八。




「オイてめーらァ!やる気あんのか?あぁ?」


「いや、僕らのクラスまだ出番ありませんでしたからね」




そう、新八が突っ込んだ通り、3年の出番はまだ一度もなかった。
なので、座席に着いている3Zの生徒はほとんど居らず、みんな好き勝手に好きなことをしている。



会場をうろうろしている沖田もその中の一人。


そんな沖田がそろそろ自席に帰ろうかとしたとき、ひとりの女に声をかけられた。




「ぁ、あの、沖田くん!話があるんですけど良いですか!?」




またそれか。
今日になってから話を聞かされるのは何回目だ。


そう心の中で思う沖田だったが、笑顔を作り、話を聞くことにした。




Z組の人間には、どう間違ってそうなったか理解不能だが『優しくて、文武両道で、笑顔が素敵で…』などと思われているのはこのためである。

しかしZ組の生徒は、うちのクラスにそんな奴が居ると思うのか、…自分以外で。他のクラスの奴ら馬鹿だな。などと思っているので『ドSで、運動神経が良いだけの馬鹿で、笑顔が憎たらしくて…』の間違えだろうと思っている。まぁ実際にそうなのだが。




「話って何ですかィ?」




まぁ、聞かれるのは競技のことだろう。


案の定、そのことを聞かれた。
前も、その前も、そのまた前の女も同じことを聞くんだから、おおむね予想はついていたけど。




「競技は名簿の通りでさァ」


「そう、ですか…すいません、ありがとうございました」




そう言うと女子生徒は走り去ってしまった。




「オイ、隠れてねーで出てきたらどうなんでィ」




チャイナ、


そう言葉を発すると、バツが悪そうに校舎裏から出てきたのは予想通り、今日の体育祭で女子1番の戦力を発揮するであろうクラスメート。


隠れて聞いてるなんて良い趣味してますねィ、と言えば、聞きたくて聞いてたんじゃないし、それに俺に文句を言いに来たらしい。




「文句?」


「そうアル。さっきみたいな騙されてる女、どうにかしろヨ」




どうにかしろと言われても、俺にはどうもできない。


てかなんでコイツにそんな文句付けられなきゃいけねーんだ。


そう思ったが今日の質問のことでコイツに迷惑がかかったんだろう。




「他の組の奴らに何か言われたんですかィ?」


「お前と付き合ってんのかって聞かれたアル」


「良かったですねィ。俺みたいな彼氏がいて」


「お前なんか好きじゃねーヨ」







ちくり







…いや、ちょっと待て。ちくりって何でさァ。



そう思ったら脳内から聞こえたいつかの土方の声。



『お前、チャイナに気ィあんだろ』



……嫌い、ではない。

確かに大嫌いだったが、それから一緒に喧嘩していても楽しかったし、その日以来、死ねとは言っても、嫌いとは言ってない。


俺は好きなのか、こんな女が…
てか人間こんなに心境がすぐ変わるものなのか…?




「オイ聞いてんのカ」


「何ですかィ?」


「次、騎馬戦アル。3年男子のやつ」




耳を澄ませば遠くの方で、収集係りがプレートを持ち、出場選手達に呼びかけていた。


じゃあ行ってくると言ってから、入場門へ向かうと、後ろから負けんじゃねーゾ!と叫ばれた。




そんなことを言われて負けられない。
まぁ負ける気なんて最初っからないけど。



なので沖田は当たり前だろィ!と返し、そしてすぐ門へ向かった。

だけど結局、この気持ちが何なのかは分からなかった。







*****
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一番迷ったのは女子生徒Aの沖田の呼び方を
沖田くんか沖田さん、または総悟くんのどれにするか;

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