ゆめ。
□あ、なんですかその態度
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「すきです。」
――――気儘な神様の御機嫌窺い、胡散臭い笑顔を振り撒くキャラ設定、薄気味悪い閉鎖された空間……それらから精神的な大ダメージを与えられていたであろう古泉は言った。
え、誰にって?それは俺もまだ理解出来てはいない。よし…なら順々に理解していこうではないか。そうだ、それがいい。
まず最初に言っておこう。ここはお馴染みの文芸部の部室。。。つまり『SOS団』という大層な肩書きのグータラ集団(集団といっても5人しかいないのだが)の溜り場だ。
そしてその噂のグータラ集団のトップに君臨する我等が団長様、[涼宮ハルヒ]は「新しいコスプレの衣装を調達してくるわ!有希、みくるちゃん!早く行くわよっ!」と言って威勢良くこの部室を出て行った。
まぁそんなワケで麗しのMy Sweet Angel[朝比奈みくる]さんも、無口で何を考えているのか分からない俺の命の恩人[長門有希]もいない……
そしてこの場所は先程申した通り、グータラ非常識集団の溜り場。ということで、この高校に通う生徒はみーんな、そう、誰も介入して来る筈がいない。忘れ物マニアの谷口でさえも躊躇するぐらいだしな…
・・・・・・・となると、[いつも通り]のレッテルが貼られるぐらい[いつも通り]の日常でこの部室にいるのは…グータラ非常識暇々集団のメンバー以外には有り得ない事なのである。
つまり、俺とハルヒと朝比奈さんと長門と古泉。そのうち、華々しいと言えるであろう女性人3名は、ハルヒの突発的な宣言によりこの部室にはいない……
となると、もうなんか異空間化してそうな奇妙な部室(忘れ物マニア曰く)には今、俺と古泉しか居ないのである。
「……古泉、」
「はい!」
何故無駄に威勢が良いんだ…やっぱり精神的にかなりやられてるんだな・・・
「疲れてるんなら今日はもう帰ったほうがいいんじゃないか?アイツら(朝比奈さん、ごめんなさい)も戻って来んかもしれないしな。」
「疲れてなんかいないですよ?…あなたのおかげで最近涼宮さんの機嫌は上々ですから、例の閉鎖空間は長い間発生していません…ご心配、有難う御座います。」
か、顔が近い!!!
「そんなに逃げなくてもいいじゃないですか。僕なりの愛情表現ですよー」
逃げてるのに追ってくるな気色悪い!!その手は、その手はなんだ!?『キャハっ☆頭を撫でてみよう☆』なんて考えてるんじゃないだろうな!?
「こんなことはお前のファンの女の子にやってやれ!そしたら間違いなくお前は長い間開かれることすらなかった青春の1ページ目をやっと執筆しだすことが出来るだろーよっ!!」
「1ページ目はあなたについての情報をこの目で凝視した時にとっくに埋まってますよ。因みに今の状況は6317(仮)ページ目です」
真顔でさらっと気持ち悪いことを言うな!!!無駄にページ数が多いのはどういうことだっ!!!
「まぁ大半は僕のもうそ………最低でも一日二回は更新するので…結構なページになりました」
「更新ってなんだ!?ブログ感覚なのかぁっ!?ま、ま、ま、まぁとにかく、とにかくだ!落ち着け古泉!!何だ!?何があったんだ!?」
もうワケが分からん!!!コイツは本当に俺の知る古泉なのか?赤玉になって世界の為に頑張っている古泉なのか?だとしたら頼む、悪い夢であってくれ。俺はこんなアホ泉を…………、?
「だからさっき言ったじゃないですか。」
アホ泉を…………?
「僕はあなたが」
まままままままままままままままままさかな・・・・よし俺、今なら許してやる。
俺の脳細胞よ、もう一度告ぐ。今なら許してやる。
「すき、なんです。」
決してハルヒに見せることがないような笑みを浮かべながら、頬を真っ赤に染めあげるという荒業をやってのけた古泉。
ああ・・・もう、、、、、俺の脳細胞はなぜ言う事を聞かん…
「すきすぎて…どうすれば良いのか自分自身でも分からないんです・・・変、ですよね」
『ああ、古泉。変だよ古泉。お前はおかしい。おかしいんだよお前。』
『俺、そっちの世界にはついていけないよ・・・・精神科にならついてってやるけどな』
なんて言いまくってアホ泉を突き放したくもなったのだが気が変わった。
何故かって?そりゃ目の前にオセロがあったからだ。
仕方ないから今にも泣きそうな馬鹿を誘ってやった。
そしたら
「僕が勝ったら、あなたは僕のモノです」
なんて白い方を選んでほざきやがった。
お前が俺に勝つワケないじゃないか。どんだけメデタイ奴なんだお前。
「好きなようにしろ。じゃあ俺が勝ったら…」
そこまで俺が言うと、古泉が期待しているかの様に目線をオセロから俺に移す。
「…はい」
お前は、俺のモノだ。
「精神科に、行こうか。」
その後、必死に涙を堪える古泉と超笑顔の俺が囲む盤面は
白い背景に散らばる黒い点が七個、という結果になった。
「さて…行くか。」
たまにはちゃんと体に良いもんとってくれ。
―あ、なんですかその態度―
「誰も俺を食えとは言ってないだろ!?」
「んふっ。いいじゃないですかー」