君だけの妹

□江戸に立つ少女
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沢山の人や天人でにぎわう街『江戸』


「ひゃあ〜やっぱ都会は人が多いなぁ」


ここにいるんだ、あの人が。やっと会えるんだ。


「お兄ちゃん……」


田舎生まれの私にとって、そこはもう未知の世界ともいえるほど広かった。

私はお兄ちゃんに会うために、家から出てきた。でも江戸については全く知らない。


「う〜ん…人に聞こうかな?あ」


悩んでいると、近くの建物の看板が目に入った。

「えっと…『万事屋銀ちゃん』?万事屋ってことは、何でも屋さんだよね」


よし!早速頼んでみようっと!

私は軽い足取りで階段をのぼった。


「すみませーん」


"コンコンっ"


「………」


「あの〜すみませーん?」


"コンコン!コンコン!"


「………」


やっぱり反応がない。
でも、なんとなくだけど人のいる気配がする。


「…こじあけちゃおうかな!」


「待って待ってぇええ!どうしてこじあけるなんて言うの!?」


「あ!開いた」


こじあけようかと足を振り上げた所に、眼鏡の男の人が急いで出てきた。


「こんにちは〜やっぱりいたんですね」


「え……あ、ごめんね。銀さんが開けるなって言うから」


「銀さん?」


他に誰かいるだろうか、と思った私は中を覗こうとした。


「新八ぃい〜〜!誰だったんだー?くそババアかぁ?」


「あ…」

奥から出てきた人を見て私はすぐにわかった。
きっとこの人が『銀さん』って言われてる人なんだと。
銀さんと言われた人は驚いたように私を見ていた。


「え…だ、誰?」


「あ、私は万事屋さんに依頼があるものです!」


「え、マジで!?おい新八!なーにボサッとしてやがんだ!早くお通ししやがれ!!」


「あぁ!そうですよね…スミマセン。どうぞ」


「じゃあ、お邪魔します!」


2人の後について私は万事屋さんの中に入った。
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