君だけの妹
□再会と過去
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会いたかった。ただ、ずっと会いたくてここまで来た。
「十四朗…お兄ちゃん……」
「なんで桜がこんな所にいるんだ…?」
「…あの〜」
私がずっとお兄ちゃんに抱きついていたら、固まっていた銀さんが手をあげた。
「なんかシリアスな雰囲気のとこ申し訳ありませんが…あの。お2人は…ご兄弟でありますか?」
※銀ちゃんは天ぱってて口調が少しおかしくなってますが、あえてスルーで。
銀ちゃんがそう質問すると、皆が桜のことを凝視した。
「え、そうだけど…」
「ぇ?じゃあ…何?この子は正真正銘、トシの…妹??」
あれ、この人いつからいたんだろ。お兄ちゃんと同じ制服ってことは、この人も真選組の人かな?
…ゴリラっぽいけど。
「あぁ、間違いねぇよ近藤さん。正真正銘俺の妹の土方桜だ」
「えええぇぇぇえええっ!!?」
「!?」
予想以上に皆の反応が大きかったので、私は驚いてお兄ちゃんから離れた。
「なななななんん●×☆!♪……×」
「ぎぎぎ銀さん!おおお゛お゛落ちづい゛で下ざいぃい!!」
「桜がニコでマヨで瞳孔の妹!?
信じられないアル!!」
「トシぃいいい!そんな大きい子供がいるなんてお父さんは聞いてないよぉおおお!?」
「誰が子供だぁあああ!子供じゃなくて妹だっつってんだろーがぁ!!つーかアンタに育てられた記憶はねぇ!!」
「女はらませて放っておくなんて最低でさァ。つーことで、死ねよ土方(カチャ)」
「テメーは何どさくさに紛れてバズーカぶっぱなそうとしてやがんだぁああああ!!」
「…………」
えっと。今の状況を説明すると…天ぱる銀ちゃんと新八くん。(銀ちゃんに至っては何を言ってるかわからない)
神楽ちゃんは真っ青になってる。
ゴリ…近藤さん?は「トシぃいい!」と言いながらお兄ちゃんに抱きついてる。
お兄ちゃんは沖田さんって人と喧嘩してる。
「どうしよ……っ!ぐっ……」
胸が苦しい…ヤバい。さっき怪我したとことか痛み出してきたし、少し暴れすぎたかも。
「っ!桜!」
私の異変に気づき我に戻った銀ちゃんが座り込んでる私の傍に来た。
それにつられて、周りの皆も私の周りに集まってきた。
「おい、どーした!?顔が真っ青じゃねーか!」
「ごめ…銀ちゃん…。ちょっと暴れすぎ…ゲホゲホっ!」
「お、おいっ!」
やばい…胸が苦しい。
胸をぎゅっと掴んで痛みをこらえていたら、不意に視線の位置が変わった。
「ぇっ…」
気がつけば十四朗お兄ちゃんが私を横抱きにして持ち上げていた。
「お兄ちゃ…」
「なんでここにいるのかと、怒るのは後でにしてやる。大人しくしてろ」
「……うん」
変わらない無愛想な優しさ。それが無性に嬉しく感じたその瞬間、私の目の前が真っ白になった。
「!おい、桜!桜!!」