君だけの妹

□兄妹って似てる人と似てない人がいるよね
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「それで…近藤さん。私、どうすればいいんでしょうか?」


「え?なにが?」


あの後銀さんたちは、帰ってしまい今は真選組メンバーだけになった。


「いや、なにが?じゃなくて…私、具体的に真選組が何するとか知らないんですけど」


「ああそうだったな!」


「桜の役職とかも決めねーといけねぇんじゃねぇしな」


「後とっつぁんにも許可もらわなきゃいけねぇと思いますがねィ」


「それと桜ちゃんの隊服はどうするんですか?局長」


「うっ……」


3人に一斉に言われた近藤さんは、ちょっと混乱してるようだった。

なんか…入隊って結構大変なんだな。


「近藤さん。真選組については俺から教えとくから、とっつぁんとか隊のこととかは任せたぜ」


「さすがトシ!いやあ助かるなぁ〜」


「近藤さんって…局長だよね?」


「そうでさァ。でも頭脳系なことは大体土方さんの仕事になってますぜィ」


「それって近藤さんはやらなくていいの?」


「できないんでさァ」


「……あぁ」


ここでやっと納得した。
そっか…頭がゴリr…ごほん。ちょっと悪いからできないんだね。


「でもお兄ちゃんが頭脳派ねぇ…なんか意外かも」


「そうか?」


見た目はクールって感じだけど、喧嘩っぱやいし案外子供だしね。


「とりあえず桜。元の着物に着替えて来い。そしたら俺の部屋に集合だ」


「あ…うん」


「じゃあ俺はとっつぁんの所に行ってくるな!ザキ、手伝ってくれるか?」


「はい、局長!」


そう言って退くんと近藤さんは部屋を出て行った。


「んじゃあ俺は昼寝でも…」


そう言って部屋を出ていこうとする総悟をお兄ちゃんがガシッと掴む。


「おい、待て総悟。お前は今日書類整理の日だろ?」


「そんなめんどい事はまっぴら御免こうむりまさァ。それともこんな簡単なことも自分じゃできないんですかィ?」


「誰が馬鹿だ!!オメェの仕事だろーが!!?」


馬鹿とは言ってない気がする。この2人の争いってホント終わりがないよね。仲は悪くないんだろうけど。


「たくっ総悟のやつ…後で覚えてやがれ。お前はとりあえず俺の部屋に来いよ?」


「う、うん…わかった」


「じゃあ後でな」


そう言って部屋を出て行くお兄ちゃん。部屋には私1人。


「(とりあえず……さっき着替えた部屋に行こう)」


私もその部屋から出て、着替えた部屋に向かうことにした。


***


「ふぅ……」


あれから5分ぐらいしてやっと着替え終わった。なんかここまで来るだけなのに疲れた。

廊下を歩くたびに隊士の人からはジロジロ見られるし。

私ってそんな変な顔してるのだろうか?それとも…お兄ちゃんに似てるとか?


「とりあえずお兄ちゃんの部屋に行かないと…」


………あれ?そういえば私なにか大切なことを忘れてるとは思ってたけど、


「お兄ちゃんの部屋、知らないじゃん」


さっき聞くのすっかり忘れてたよ!あーもう、なにやってるんだろう。


「どうしよ…真選組って見るからに広そうだしへたしたら迷うよね」


そこら辺の隊士の人にでも聞いてみようかな?
えっと誰かいるかな。あ、あそこにいる人に聞いてみよう。

ちょうど近くに普通の隊士を服を着た人と、隊長服を着た頭がツルツルな人がいた。


「あ、あの〜」


「んぁ?なん……っ!?」


「?」


振り返るなりその2人はこっちを真っ赤な顔して見て固まってしまった。
な、なんだろ…?


「えっと…ちょっとお聞きしたいことがあるんですが」


「あ、あぁ!はい!なななんでしょうか!?」


「えっとおに…ひ、土方さん!副長さんのお部屋はどちらでしょうか?」


なんか自分の苗字で尋ねるって変な気分。
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