君だけの妹
□何事も最初が肝心だと思うよ
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「ん、う〜〜ん…」
目を開くと、壁にあるのは昨日もらったばかりの隊服。あぁ、そうか。
「真選組隊士になったんだっけ…」
新しい場所、新しい服。なんだか…とても新鮮です。
***
「えーっと。今日は会議が朝からあるとか行ってたよね」
会議といえど仕事に変わりはないし、お兄ちゃんのことは副長って呼ばなきゃ駄目だよね。
隊服に着替え、私はすぐに会議室に向かう。
「おはようございま」
「…おぉ、桜。遅かったな」
「あ、えっと、おはよう…ございます……」
まずは開けてすぐにお兄ちゃんが立っていた。
それよりもなんだろう。この真剣な雰囲気は。昨日とはまるで違うじゃないか。
プライベートはああでも、やっぱ仕事になると皆変わるんだなあ。私も気合い入れてやらななきゃ!!
「えっとお兄、じゃなくて。ふ、副長…私はどこに座れば?」
「あぁ、総悟の隣にでも座ってろ」
「あ、はい」
一応お兄ちゃんに一礼して私は皆が座ってるほうに向かう。
あー…やっぱ変な感じ。お兄ちゃんに敬語って。やけに緊張しちゃったよ。
「おはようごぜぇやす、桜」
「うん、おはよう総悟…って、あ」
「どうしたんですかィ、マヌケ面して」
そういえば私ってある意味総悟より下だよね?位低に行ったら。
「あ、あのさ総悟にも敬語って使った方がいい?」
「別に俺はどっちでもいいですぜィ」
「えっ、う〜ん……」
どうしよ、でも敬語か。総悟は上司だけど年齢でいったら変わらないから余計変に緊張しそう。
「じゃあ…使い分けるってことでどう?」
「いいと思いやすぜ?」
「じゃあ、そういうことでよろしくお願いします」
お兄ちゃん達の手前では敬語で、総悟と2人の時の仕事とかはタメで…ってかんじでいいかな。
「みんな揃ったか?」
「「「局長!おはようございます!!」」」
「お、おはようございます…!」
近藤さんが入ってきた瞬間、隊士の人たち全員で挨拶をしたので急いで私もした。
わわ、なんか皆ホントに真面目。昨日のあれが夢みたいだ。
「…それじゃあ、本日の議題にはいる。状況は」
「選抜隊はもう出ばってますよ」
選抜隊?って、なんだろ。何についての議題?乗り込みとかかな?
「天候、気温、グラウンドコンディション。その他もろもろを考えても…決行は今日がベストだ」
続いて口を開いたのは、襖を背にして立っているお兄ちゃん。
天候や気温まで関係してくるんだ。まあ戦いの日なのに雨じゃあしけるもんね。
でも、グラウンドコンディション?
「…皆!時はきた!!」
伏せていた目を、近藤さんが前に向けてそのまま立ち上がる。
「よし!真選組出動だァアア!!」
「「おぉ!!」
「お、おぉ!」
ちょっとひっかかるけど…気を引き締めていこう!!
***
それから会議室から出て、今は外に出て綺麗に整列中。ちなみに私はお兄ちゃんと総悟の間に立っている。
「みんな揃ったか?それじゃあ行くぞ!」
そんな近藤さんの掛け声と共に、皆で行進して歩いて行く。