君だけの妹
□見た目に騙されてはいけない
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「桜…仕事だ」
「・・・えっ!仕事!!?」
――見た目に騙されてはいけない――
朝起きてお兄ちゃんの部屋に呼び出されたかと思えば…それは…
仕事だった。
「やっと…やっと仕事が…//」
「仕事渡されて感激してるやつはお前が初めてだよ」
お兄ちゃん…いや、副長は煙をはきながら言った。
「・・・で、具体的には何をするの?」
今は2人だけなので標準に喋っています。
「あぁ…ま、簡単なやつだよ。市内見回り」
「えー…」
なんだ;切りこみとかじゃないんだ…;
「あのなぁ…;見回りだって大事だぜ?攘夷志士がそこら中をうろついてっかもしんねーだろ?」
「うん…?」
ちょっとわかなんかったけど、とりあえず頷いておいた。
「…ま、とにかくだ。ホントは俺も付き合いてぇとこだが…あいにく仕事がたまっててな」
「大丈夫だよ!私、1人でも」
桜はめちゃくちゃ笑顔でそう返した。
…が、一方の土方は…
「(いや…違う意味で心配なんだよ…)」
と、脳裏にうかぶ男たちが桜にたかる所を想像していた。
「……?」
お兄ちゃん…なんであんな心配そうなんだろ。
いつもの心配症かな?
「…とにかくだ、俺がいなくても総悟とかも既に見回ってるから…」
「え…総悟が?」
へぇ〜…一応ちゃんと真面目に仕事してるんだ。
「ま、よろしく頼むな。帰ってきたら俺の方も手伝ってくれよ」
「はい!!」
そして桜は元気よく立ち上がり、部屋を出ようとした。
「(……あ、そうだ)」
何かを思い出したように立ち止まり、桜は土方の方を見た。
「どーした?忘れもんか?」
「うん!忘れもの!!」
その後、桜はニコッと笑い…
「行ってきます!お兄ちゃん♪」
「っ!!///」
そう…めちゃくちゃ無邪気な笑顔で出ていった。
そんな笑顔を向けられた土方お兄ちゃんは…
「・・・やっぱ、スッゲェ心配だ…;;」
胃をキリキリと痛めていたそうな……。
――――――
「それにしても…市内見回りってなにすんだろ」
一応、外には出てみたけど…どこを見回ればいいんだろ?
・・・それにしても、
「隊服で外歩くのって新鮮だな〜〜!」
入隊して5日目になるのに、今まで仕事がなかったからな;
お兄ちゃんが休んどけっていうから…
「相変わらず心配症……ん?」
「あれって…組の…ね?」
「えぇ……なの…よ…」
なにか視線を感じて、周りを見てみると…
「(な、なんか…見られてる…!?;;)」
周りの一般の人が私を見てはヒソヒソと喋っていた。
えぇ…;私なんか変かな…?
天然な桜は全く気付けずにいた。
「うーん…;」
どういう目で見られてるのかわからずに、ただひたすら桜は歩いていった。
「やっぱ女が刀持ってるのがいけないのか―…「テメーなにしとんじゃあああ!!」っ!」
突然、男の怒鳴る声が聞こえた。
これはもしかして…事件の匂い!?//(嬉しそう)
真選組なんだし…首突っ込んでもいいんだよね!?//
「よし!!行くぞぉおお!」
その場から目にもとまらぬ速さで、桜は声のあった方に走っていった。