君だけの妹
□兄弟って似るもんなのかな?
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えっと…おはようございます、皆さん。
朝から私は何故かかしこまってます。
いつもはちゃめちゃな真選組にしては珍しい、警察らしい風景をおおくりしています。
…ちなみに、今はお兄ちゃん(副長)と近藤さん(局長)が来るのを待ってるんだけど・・・
「(あ、足が…痛くなりそう…;)」
「なにフルフルしてんでィ…」
隣で総悟が私を変な目で見ながら言う。
そんな目で見ないでほしい…;私、ホント正坐だけは苦手なんだって!
「あ、足が…;」
「この時間でもう痺れたんですかィ?根性ねぇなァ…」
「…すみません…」
根性って問題じゃなくて、ホント…痺れやすいんだよ。
フルフルとしている私を見て、総悟は突然ニヤッと笑いだした。
「え…な、なんです…か?;」
一応、今は上司っていう立場なので敬語で話す。
「いやぁ…麻痺してるなら、俺が叩いてなおしてやろうかなーと思いやして」
そう言って掌をかまえる。
・・・ってΣ
「ちょ、待って下さい!;そんなことしたら、絶対にもう立ち上がれません!!」
「それでいいんでィ。面白いから」
「なっ…Σ;」
私が言い返そうとしたとき―…
「・・・お前ら、なにしてんだ」
「…あ;」
タイミングよく、お兄ちゃんと近藤さんが部屋に入ってきた。
「す、すみません…」
「チッ…」
私が謝っている横で、総悟は思いっきり舌打ち。
いや…;一応、お兄ちゃん上司なんだからさ…;;
「とりあえず、会議始めるぞ」
どうやら会議を取り仕切るのはお兄ちゃんらしい。
真選組の頭脳だもんねぇ…
「今回は、今度行われる祭りの警護についてだ」
ん?祭り……?
「ねぇ…総悟」
私は小声で、総悟の上着の裾をクイッと引っ張った。
「っ…なんでィ…/」
ちょっとビクッてなったけど、聞き返してくれた。
「お祭りって…なに?」
「聞いてねェのか…;噂で少しぐらいは聞いてんだろ?」
「・・・噂?」
うーん…私、基本噂とか聞き流すからなぁ…
「おい…テメェら、なに話してやがんだ」
「「Σ;;」」
ちょっとドスのきいた副長の声に、周りの隊士は体をちぢ込ませた。
「(副長が怒った…;)」
「(会議中に私語した者は切腹だったよな…;)」
隊士たちが桜の方を、青ざめた目で見ると…当の本人は…
「あの、お兄t…じゃなくて。副長!お祭りってなんですか?」
「(えぇ――――Σ)」
隊士全員が心の中でそう叫んだ。
副長が刀をぬく!誰もがそう思ったのだが……
「・・・あぁ、開国20周年記念の祭りだ」
「へぇ〜…ていうことは随分大きな祭りなんですね?」
「そうだ。祭り当日は将軍も来る」
「えぇ!わぁ〜…凄いなぁ!」
「・・・」
勝手に会話を始める2人を沖田以外の周りの隊士はポカーンと見ていた。
「お、沖田隊長…;なんですかアレ…;」
「あ?」
「だって…会議中に私語をしたら…;」
「切腹だろ?」
「じゃあ何で桜ちゃんは!?」
1人の隊士が小声でなく、大きな声でそう叫ぶと…
「おい…」
「ひぃっ!?;;」
土方は、その一言で隊士を睨みつけた。
隊士の方は硬直していた。
・・・が、土方は何もしなかった。
「こ、殺されるかと思った…;」
「おめぇらは馬鹿でさァ…、あれがシスコンってやつでィ」
「へ?;」
あっさりと言う沖田に隊士たちは目を丸くした。
「特別扱いはしねェって言っても、桜のペースにのせられて、いつの間にか特別になってるんでィ」
「・・・;」
それってかなりの不公平だ。
…誰もがそう思ったが、土方の睨みがきつくなったので自分の位置にそれぞれ戻った。