君だけの妹

□我が家が1番落ち着く場所
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「・・・あれ?」


それはよく晴れたある日のことでした。


「…下着が、ない・・・?」


―我が家が1番落ち着く場所―


「うーん…とりあえず着替えたけど、どうしたんだっけ・・・;」


もしかしたら昨日脱衣所に置いてきちゃった?


そう思って、とりあえず脱衣所を確認する。


「(この時間帯なら誰もいないよね?)」


案の定中に入ると誰もいなかったので、とりあえず辺りを見渡したけど・・・


「やっぱりない…か…」


弱ったなぁ;どこかに落としてたらどうしよ……

後考えられる可能性は・・・


「・・・盗まれた?」


…いやいやいや、それはないよね。そんなこと言ったら皆を疑うことになっちゃう。


「でも…そうじゃなかったらどうしよ…」


「朝から覗きですかィ?」


「うーん…覗きかぁ・・・ん?」


覗き?ていうか、今の声は…


「そ、総悟!?//」


そこには隊服姿の総悟がいた。


「この時間帯は男しかいやせんぜ?やっぱ覗きか?」


「ち、違うよ!//ちょっと忘れ物を取りに来ただけで・・・」


「・・・へぇ」


そう言って総悟はジャケットを脱いだ。

そしてスカーフを取って…、そこで手を止めた。


「…いつまでそこにいるんでィ。俺の裸でも見るつもりですかィ?」


「・・・えっ!?//ち、違う!」


やだ…思わずボーっとしちゃった!!


「そ、それじゃあ失礼します!!」


「…忘れ物、ねェ……」


慌てて脱衣所を出た私の心拍数はあがっていた。


「はー…;危なかった……」


下着がなくなるなんて…誰にも相談できないよね。

お兄ちゃんだって…男だし。


「仕方ない…とりあえず屯所内を探してみよう」


とりあえず思い当たるところをあっちこっち探してみた。

だけど・・・



「・・・み、見つからない……;」


あれから30分ぐらい探してるけど、全く見つからない。


「うーん…やっぱ盗まれたのかな…」


「あ、桜ちゃん!!」


「ん?あ…退くん」


廊下から退くんがこっちに走り寄ってきた。


「どうしたの?」


なんかやけに焦ってるような感じがするけど・・・。


「局長が収集してくれって…会議室だから!」


「そっか…わかった!」


それだけ告げると、退くんは他の隊士を呼びに行った。


えーと…会議室だったらこっちのほうが近いよね?


会議室につき、中に入ると既に何人かの人が集まってた。


「あれ?隊士全員なんだ」


「桜、随分遅かったねェ」


「あ・・・総…沖田隊長。そっちは早いですね」


会議室な手前、一応敬語にしておく。

あ、お兄ちゃんも来てる。また煙草吸ってるし・・・


「それにしても何の集まり何ですか?」


「知らね、なんか最近の事件らしいけどねェ」


「事件?」


最近の事件って何があったっけ?事件ありすぎてわかんないや。


「あー皆静かにー」


と、ここで近藤さんが入ってきたので皆静かになった。


「今日は真選組に協力してほしいという事件についてだ」


協力?って・・・攘夷志士関係じゃないのかな?


「今回の事件は…“パンツ泥棒”についてだ」


・・・はぃ?


「きょ、局長…パンツ泥棒って……?;」


隊士の1人が近藤さんに聞き返した。


「あぁ、詳しくはそれを見てくれ」


そう言って次々と紙が配られる。


「えっと…『またも出没、ふんどし仮面』…?」


ふんどし…仮面?;


「近藤さん、何ですかィこりゃあ。俺達を馬鹿にしてるんですか?」


「まぁそう思いたくなるのもわかるが…なんでもこの『ふんどし仮面』ってのがパンツ泥棒らしいんだ」


「パンツ泥棒…?」


私は再び記事に視線を向けた。


えっと…なになに?
≪ふんどし仮面は綺麗な娘のパンツばかりを狙い、それをモテない男たちに配るまるでねずみ小僧!いや、ふんどし小僧だ!!≫


「・・・;;」


この記事を見た瞬間よぎったのは、今朝私の部屋からなくなった物。


「(いやいやいや;ないって。だって…私綺麗な娘じゃないもん)」


そう心の中で全否定していると…


「…桜、お前は大丈夫だよな?」


「・・・え;」


突然低い声が聞こえたかと思えば、今まで黙っていたお兄ちゃんが口を開いた。


「だ、大丈夫って…何が…ですか?;」


「・・・盗まれたかって聞いてんだ。パンツを


「!!?;」


そう言った瞬間、その部屋にいた全員の目がこっちを向いた。


な、何でみんなそんな顔を…!ていうか、ちょっと怖い……;


「えーっと…そのぉ…;」


返答に困っていると、隣の総悟が口を開いた。


「桜…オマエまさか…!」


・・・ヤバい;総悟はなんだかんだで勘がきくから…ばれた?


「今、ノーパン…「はいてます!!!」


総悟から向けられたノーパン疑惑を私は全面否定するため大声で叫んだ。


「なんだ、じゃあ何でんなもじもじしてるんでィ。もじ子か」


「別にもじもじなんてしてないもん!てか、もじ子って誰!?」


あぁー…もう!//変に緊張して損した!


「じゃあ何をなくしたんでィ」


「それは今朝下着が1枚消えて……」


・・・消え…て……?

・・・。


「・・・・・・あ」


「誰がやりやがったァアアアアア!!」


「「ギャアアアアアア!!」」


総悟にのせられて口が滑ったアアア;

ていうか、お兄ちゃんが怖い!本気で誰か殺そうとしてるううううう!!
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