君だけの妹
□ときめき?将軍様ゲーム!
1ページ/7ページ
「お妙です。特技は卵焼き作りかしら?」
「桜子です。と、特技はー…一応護身術…的なものです」
流れで自己紹介することになって、とりあえず全員終わった。
・・・終わった、んだけど…。
「護身術?そんな顔して案外強いのかよ」
「へぇー刀とかも使えるんですかィ?」
「お妙さん!卵焼き今度ぜひ俺に・・・」
「あげません」
「え、えっと…護身術は父とかに勧められて…」
とにかく居心地悪い。
総悟は私のこと気が付いてるうえで、正体がバレそうなこと言うし。
お兄ちゃんの目がなんか鋭いし・・・。
あぁ・・・もう私はどうすればいいの!
「なぁ桜子ちゃ〜ん、水割りちょうだい」
「あ・・・は、はい!」
質問攻めにあっていた私を銀ちゃんがさりげなく助けてくれた。
目配せでありがとう、と伝えれば銀ちゃんは優しく笑ってくれた。
普段あんなだけどやっぱり銀ちゃん、頼りになるな。
それに…ちょっとカッコイイかも…//
「おい」
「え、何でー…わっ!?」
「・・・ふーん、こんな細い腕で護身術ねェ」
「あ、あの・・・沖田…様?」
突然総悟に腕を引っ張られたかと思えば、じっくりと総悟に体を見られた。
・・・あの、総悟。手がちょっと痛いんだけどなぁ・・・。
まぁお客さんなわけだから、そういうこと言えないんだけどね。
「おい総悟、離してやれ」
「・・・あ」
「何ですかィ土方さん、邪魔するつもりですかィ?」
「邪魔も何も、俺達は元からここには仕事できてんだ。少しは自重しやがれ」
「チッ・・・」
お兄ちゃんが助けてくれた…以外でちょっとびっくりした。
だって、今の私は妹の桜じゃなくて仮だとしてもキャバ譲。
こんな風に助けてくれるなんて思わなかった。
「あの…あ、ありがとうございます…」
「・・・別にお前のためじゃねぇよ。部下の面倒を見んのも俺の仕事だ」
そう言ってお兄ちゃんが煙草を取り出したので、私は慌ててライターを差し出した。
「どうぞ」
「・・・あぁ」
火をつけて、煙草を吹かせた後、再びお兄ちゃんが私に視線を向けた。