君だけの妹
□人生はまるでベルトコンベアー
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報告書のまとめを終えて、部屋から出て局長を探す。
今日はこの後見回り………あったっけ。
わかんないから確認してこよう。
踵を返してお兄ちゃんの部屋に行こうとしたら後ろから声をかけられた。
「桜ちゃーん!」
「あ、退くん。そんなに急いでどうしたの」
「急なんだけどこれから会議があるらしいんだ。いつもの部屋に集まってくれる?」
「会議?ん、わかった」
それだけ伝えると退くんはまた走って行った。他の人にも伝えに行くんだろう。監察方は大変だね。
「さて、私もさっさと向かおう」
***
部屋につけばまばらにだけど人がだんだん集まってきていた。
私は割と早い方だったみたい。
「早いじゃねえかィ、桜」
「あ、総悟。総悟もいつもより早いね」
「俺はちょうど近藤さん達のところにいたんでねェ。さぼりたくてもさぼれなかったんでィ」
「サボるって…隊長がそんなこと言っていいの?」
「俺はいいんでィ」
どういう自信があってそんなこと言うんだろう。確かによくサボってるけどね。
「おーお前ら!緊急召集なんて悪かったなあ!」
がははと笑って部屋に入ってきた近藤さんと、煙草を吸いながらなにも言わずに席に着くお兄ちゃん。
それを見てみんなもその場に座る。
「今回召集をかけたのは他でもない!………えーっと、トシ?」
「………はあ、実は今日警察本部から極秘の連絡が入った」
極秘の連絡?なにか大事件でもあったのかな。
「とある攘夷志士の一派がテロを起こそうとしているとのことだ。大量の爆発物を製造してるとの情報も入った」
テロという言葉に一気に部屋の中がざわつく。
大量の爆発物…そんなのが一気に爆発したら江戸なんて跡形もなく消え飛ぶ。確かにこれはことを争う事態かもしれない。
「それでこれからテロについての調査を始める!監察方は俺の元に集まれ!他の奴らは隊長を中心に見回りを徹底しろ!!」
「「はい!!」」
「以上、解散だ!」
テロのことを伝えられてから、言われたとおり厳重に見回りをするようになった。
だけど一週間経ってもテロが起こりそうな気配はまったくなかった。