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□願うなら
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もしもあの時、私が一緒についていけばm未来は変わりましたか?
たとえあなたが変わってしまったとしても。私はあなたが好きです。
***
あれ?ここは…夢の中?
あたりは真っ白な世界で、そこにはあの頃の私がいた。
『晋助…私、怖いよ』
『大丈夫だ、テメェには俺っていう男がいんだろ?』
『…うん』
そう。いつも俺様だけど、いつも護ってくれた優しいアイツ。
だけど、そんなアイツも変わってしまった。
『俺は幕府を許せねェ』
『でも晋助!戦いは終わったんだよ?!』
『終わっちゃいねェよ。俺の中の獣は…まだ血を欲しがってる』
『晋助……』
『テメェがついてこれねェってんなら、俺達の関係もここまでだな』
そう言って、私の前から去っていく。
私は引きとめることも、自分の気持ちを言うこともできなかった。
いつだって、勝手なアイツ。
「晋、助…」
そっと目を開くと、見慣れた景色が目に入った。
「……夢か」
自然とあふれ出ていた涙を、起きあがりながら私はすくった。
そっか。私、仕事の休憩時間中に寝ちゃったんだ。
「見たかったような、見たくなかったような夢だったな…」
「名前ちゃん!休憩終わりよ!」
「はーい」
店長に呼ばれた私は、そのまま店に出た。
「いらっしゃいませー!」
今では、和風茶屋の店員として働いている私。
私は元攘夷浪士。今では過激派集団と言われている鬼兵隊にいた。
「名前ちゃん!これ、2番テーブルにお願い!」
「はい、わかりました!」
他の店員さんから皿を受け取って、私は2番テーブルに運んだ。
「お待たせいたしました〜、チョコレートパフェとショートケーキ……ああっ!」
私は笑顔だった顔を、すぐにこわばらせた。
「おいおい、さっさとチョコレートパフェくれよ〜店員さん?」
ニヤリと笑う、天然パーマの銀髪の男。
見慣れすぎてて嫌になるこの憎たらしい顔。
「ぎ、銀時…」
それから、銀時がいま経営してる万事屋のメンバーの2人もいた。
「よっ!名前〜」
「こんにちは、名前さん」
「神楽ちゃん新八くん、いらっしゃい」
私は2人に笑顔で挨拶した。
「おーい名前ちゃん?ガキには挨拶して、大切な彼氏にはなしですか?」
「誰が彼氏だ。なんで来やがった、この変態侍が」
「客に対してその態度はねぇんじゃねーの?」
「……どうぞ」
私はトレイにあった物を置いて、その場を離れようとした、んだけど。
「あ!名前ちゃんいいわよ〜」
「え……はい?」
突然店長さんが顔を赤らめながら私に言ってきた。
「せっかく旦那さんが来てくれたんでしょ?店はいいから一緒にいなさいって!」
「……え゛」
だ、旦那ですとぉ!?
「て、店長!誤解しすぎてます!!アイツは…」
弁解しようとしたけど、店長は既に立ち去っていた。
えぇー…どうしたらあんな変な男が旦那に見えるの!?
「おーい、子供達が待ってるから早く来いよ!」
そして、またもやニヤニヤしながら私を呼ぶ銀髪の男。
む、ムカつく…相変わらずムカつく!