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□発熱に要注意!
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「や…やっちゃった……」


だるいと思って起きて熱を測ってみれば、38度6もあった。


「うわぁ…どうりで食欲がないはずだよ」


大好きなお菓子でさえ食べる気がなかったもん。こりゃ重症だね。


「でも仕事に行かなきゃ…」


ちなみに私の仕事は幕府関係。
真選組とは少し違うけど、似たような幕府のボディーガード的な組織にいる。


「うわ…立ってるのも結構ヤバいかも」


そう言いながらも、さっさと服に着替えてあたしは仕事場に向かった。


***


「苗字!遅い!!」


「あー…すんません」


上官に怒られたけど、軽く流して自分の隊の所に行った。


「苗字副隊長…大丈夫ですか?」


「んー?何が?」


「いえ…なんか、具合が悪そうだったので」


そう言って、あたしの隊の隊員が心配そうな顔をしていた。


「大丈夫だって。ちょっと寝不足なだけだから」


「それならいいんですけど…」


「へーきへーき」


実際のところ、全然平気じゃないんだけどね。でも皆に心配をかけるわけにはいかないし。


「これでも副隊長だしね…」


…でも、この場にあの人がいたら絶対にバレルかも。


「滅多に一緒になることはないから大丈夫か」


そう思ってあたしも自分の持ち場に行く。だけど今日は運が悪かったみたい。


「あれ?名前じゃありやせんか」


……え。この独特な江戸っ子口調は…まさか!

恐る恐るそっちを見ると、そこには見知った顔が。


「そ…総悟くん……」


「名前達も警護ですかィ?」


「そうだけど…」


…ていうか、今“も”って言ったよね?


「まさか……嫌な予感的中?」


「は?」


「苗字副隊長!!」


今度は隊士に呼ばれてしまった。


「な、何?」


「紺野様がお呼びですよ」


紺野様とは、あたし達の上官にあたる人。


「あーすぐに行くよ」


めんどくさいなぁ…。それにしても、総悟くんがいたってことは。


「…ん?名前ちゃんじゃないか!」


「あ?」


あ…当たっちまったぁあああ!!あたしの勘が当たっちゃった!

とりあえず回れ右してあたしはその場から立ち去ろうとした、んだけど。


「なんで俺の顔見て逃げようとしやがるんだ!」


ガシッと腕を掴まれてしまった。


「は、離してよ十四郎…」


私を掴んだのは真選組副長でありながらあたしの彼氏である土方十四郎だった。


「そんなに照れることはないじゃないか!」


近藤さんは微笑ましそうに笑っていた。

いや…違いますから!恥ずかしさから逃げようとしてるわけじゃないですから!


「ん?お前なんか熱くねーか?」


「え……っ」


これだから逃げようとしたんです!
十四郎は人一倍かなり鋭いから、風邪のことを絶対見破られる!!


「べ…別に!?紺野さん!なんで、真選組もいるんですか?」


あたしは話の流れを変えるために紺野さんに話を振った。
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