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□今日が始まり
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"ピピピピピピ!!"

目覚ましの音が部屋に鳴り響く。だけど、名前は全く起きようとしない。


「んー」


「……おい」


「むにゃ…おかーさん、後1時間…」


「誰がテメェの母ちゃんだ。とっとと起きろ」


「……やー」


「起きねェと…襲っちまいやすぜ?」


おかーさんなんてこと言ってるんだ。てか、この声お母さんじゃなくね?
…てか、その前に襲うって単語が聞こえたよね?

恐る恐る目を開ける、そしたら目の前本の数センチの距離に男の顔。


「うぎゃああああああああ!?//」


「っ…うるっせーな……」


「ななななにしやがんだ!馬鹿総悟ぉおおおお!!」


普通は叫ぶよね!?朝起きたら目の前に男だよ?
いや…別に変な意味じゃないからね!?


「てかなんであたしの上にいるわけ?しかも…み、耳…耳噛んだでしょ!!」


「言ったじゃねーですかィ。起きねーと襲うって。名前は耳が弱いからなァ」


「っ!ば、馬鹿…!万年発情期ィイイイ!!」


「誰が万年発情期でィ。それは高杉のヤローとかに言え」


総悟はあたしの頭をはたいて、そのまま部屋を出ていった。


「……あ!学校!!」


あたしの朝は毎日こんなかんじで始まる。
総悟は小さい頃からの仲。…いわゆる、幼馴染ってやつ。


「今日の起こし方はいつにもましてドSっぷりが凄かったな…」


着替え終わり下に行き、すぐさま朝食を流しこんだ。


「ふぅ…ごちそうさま」


「もう名前ったら…そんなんじゃ健康にも悪いし、太るわよ?」


「うっ…きょ、今日だけだから!行ってきます!!」


「逝ってらっしゃーい」


「変換違うぅううううう!!」


さっき会話をしていたのは、あたしより3個年上の湊お姉ちゃん。
けっこうな美人で、スタイルがいいもんだからモテるみたい。


「遅い。何やってんでィ」


「ごめんってば。これでも頑張った方なんだけど…」


「後でなんか奢れ」


「命令!?え…あたしに拒否権は?」


「奢らなくても俺はかまいやせんぜ?もっとドギツイことするから」


「ごめんなさい」


「チッ…」


なんだよコイツ、すっげぇ怖い。いや…怖いのは知ってるんだけどさ?だからすぐにあたしは謝った。
総悟にパシられたら、絶対にあたし死ぬと思う。


「ほら、とっとと歩け。遅刻しやすぜ」


「はーい」


歩いててチラッと総悟の方を見る。

…別にチラ見したのに深い意味はないけどね!?相変わらず整った顔してんなー、総悟のくせに。
ミツバさん似で、髪の色もすっごい綺麗だし。
総悟って女子から見て相当羨ましい顔してるよね。可愛い系?


「……なにさっきらかジロジロ見てんでィ、気色悪ィ…」


「気色悪いって…酷っ!そんな見てないし!」


「完璧見てただろ。それと、すんげームカつくこと考えてただろィ?」


「べ、べべ別に何も…決して考えてない!」


「今さらそんな隠したってバレバレでィ。何年嫌でもお前といると思ってんだ?」


「嫌だったの?あたしってそんなムカつく奴?」


総悟がゆっくりとうなずく。


「上等だこのやろぉおおおお!どーせ、あたしはウザキモい、モテなくて可愛くない女ですよーだ!!」


「…それ、自分で言ってて悲しいだろ」


「少し…。で、でもそれが現実なわけだし」


現実は…さ、ほら。ちゃんと受け止めなきゃ。あれ?でも前がかすんできたよ。
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