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□一生分のプレゼント
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「ヤバい…今日晋助の誕生日だった……」


「「は?」」


お昼休みに神楽と妙ちゃんとランチしながら突如思いだした重大な事実。今日は8月10日。
世間一般ではハトの日とか言われてるけど、私にとってはある意味特別な日。


「どうしよぉおおおお!怒る!絶対に怒られるううううう!!」


「うるせーアル。飯が不味くなるネ」


「名前ちゃん、ご飯はお行儀よくしなきゃダメよ?」


「ででででも!2人は晋助の怖さを知らないから…!」


「あら、知ってるつもりよ?」


「なんせ学校で1、2を争う不良の中の不良アル」


ま、まぁそっちの意味でも怖いけど。
どちかと言えば目の前にいる2人の方が怖いんだけどね、私にとっちゃ。じゃなくて!!


「だって晋助はエロだよ!?獣の中の獣だよ!?」


「それがどうしたネ。襲われるとでも言いたいアルか?」


「大丈夫よ、それはないわ。だって襲ってるならとうに襲われてるわよ。高杉くんとは幼馴染でしょ?」


「そ、そうだけど…」


そうなんです。私と晋助は切っても切れない腐れ縁…幼馴染ってやつです。

あぁ…昔の晋助は可愛かったのに。いつからあんなグレたんだっけ?


「とりあえず何かあげなきゃ……」


「毎年決まってるものとかはないの?」


「いや…いつもなら事前に“コレ買ってこい”とか命令されるんだけど」


「それただのパシリになってるアル」


しょうがないじゃん。だって私、晋助に女として見られてないんだから。
でも、なんで今年は何も言われなかったんだろう?


「そのせいで忘れてたぁ…」


「命令されないってことは今年はいいんじゃないかしら?」


「そうネ!きっと、ボンキュっボンな彼女ができたから名前なんて視界に入ってないんだヨ」


「ねぇ神楽、なんでいつにもまして毒舌なの?私ハートブレイク寸前なんだけど」


「気のせいネ」


気のせいじゃねーよ、もう泣きそうなんだけど。
でもちょっと神楽の言ってたこと気になる。晋助の女遊びが激しいのは知ってるけどさ。


「…でも、とりあえずお祝いしてあげようと思います」


「名前ちゃんがあげたいならいいと思うわよ?」


「その代わりケーキ奢ってくれ」


「なんでだよ!どさくさにまぎれないでよね神楽!」


「チッ……」


舌打ちですか。神楽も兄が不良だから似てきちゃったのかな。


「とりあえずプレゼント何がいいか周りの人に意見聞きに行ってみる。男子限定で」


「はいはーい!私だったら酢昆布か、ケーキか…」


「男子限定!行ってきます!!」


神楽からまた奢れ、とか脅されそうだったからとりあえず逃げた。

さてと。とりあえず聞き込み開始!!
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