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□これが俺の本気
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「さーて。しっかり説明してもらおうか?名前ちゃん?」
「ご、ごめんってば銀さん…」
ただいま私は、万事屋にて銀さんから絶賛説教中です。
何故こんなことになったかというと、それはとあることが原因です。
***
それはバイトも終わり、万事屋に帰ろうとした途中だった。
「そうだ…なんか甘い物でも買っちゃおうかなー?」
お給料も入ったことだし、別にいいよね?皆の分も買ってかなきゃね。
「何にしようかな。暑いしやっぱアイスかな?」
ここからなら万事屋も近いし、溶ける心配もないよね。
「私はカルピスでー銀さんは苺ミルク!神楽ちゃんは酢昆布…はないから、チョコでいいかな。新八くんは…」
それからお菓子類を買って店を出た。
「ありがとうございましたー」
「ん?」
なんだろ…あっちの方が騒がしい。
「おじさん」
「おぉ名前ちゃん!買い物かい?」
「うん。ねぇ何かあったの?騒がしいけど」
「いや、実はなんかアイドルのお通ちゃんがライブやってるらしくてさー」
「お通ちゃんが!?」
そういえば微妙に歌が聞こえる。てことは新八くんもいるのかな?
「んー見たいけど人多い…」
私かなり背が小さいからこんな人いたんじゃ見えないや。
「定春がいればいいんだけどなー」
神楽ちゃんがお散歩中だから無理だね。
「押しのけて行っちゃおうか……わっ?!」
その場でぴょんぴょんと飛び跳ねていたら、誰かにぶつかってしまった。
「ったた、すみませ」
「痛ぇええええ!!」
………は?え、何この人。なんか転げ始めたんだけど。
「なにしてくれんじゃ、貴様ァ!!骨が折れただろぉ!?」
「はぃ?!ほ、骨が!!?」
え、なにそれ…ぶつかっただけで骨って折れるものなの!?←バカ
「え、あの、大丈夫ですか…?」
「あーこりゃ慰謝料100万払ってもらわなきゃなー」
「100万!?」
ただでさえ万事屋は火の車だってのに、そんな大金出せるわけないじゃないか!
つか、普通あれぐらいじゃ骨なんて折れないよね!そうだよね!
「あの。骨、本当に折れたんですか?」
「ホントだ!疑うのか?!いてぇ〜」
明らかに嘘だろ。本当に折れてたらあんな振り回されるはずないし。
「私は騙されませんから。折れてたらもっと……?」
え、ちょっ…ヤクザっぽいおじさん方。なに私の腕をつかんでるんですか。
「何ですか」
「よく見れば譲ちゃん、なかなかいい女じゃねーの?」
「マジですか。そんなこと言われたの初めてです」
いつもはブスとかドS男に言われたり、可愛くはねーな、とか実の彼氏に言われたりしてるのに。