君だけの妹

□江戸に立つ少女
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「じゃあまずは自己紹介からな!俺は坂田 銀時。ここの万事屋の社長みたいなもんだ」


「えっと…じゃあ、坂田さんとお呼びした方がよろしいですか?」


「あーそういうのは堅苦しいからな。俺のことは銀ちゃんって呼んでくれないか?」


「はい、わかりました!銀ちゃん…ですね」


「お、おぅ」


私が銀ちゃんと呼んでみると、銀ちゃんは右手で顔を隠していた。

どうしたんだろ?私、なんか変なこと言ったかな?


「あのー」


「それと!敬語は禁止!!」


「へ!?で、でも…銀ちゃんって年上ですよね?」


「いーのいーの。銀ちゃんって呼んでんのに敬語じゃ変だし」


まぁ、それもそうかな。


「じゃあ敬語は外すね」


「そ…!それでいいんだよ!それで…」


銀ちゃんはまた右手で顔を隠した。しかもなんかバタバタし始めた。

心なしか顔も赤い。風邪でもひいてるのかな?


「何してるんですか銀さん。ごめんね、騒がしくて」


「え、いいえ!そんなことないですよ?」


ちょっとボーっとしてると、1番初めに出てきた眼鏡の男の子が話しかけてきた。


「僕は志村 新八。僕と話す時も敬語はなしでいいよ。同い年くらいだと思うし」


そう言って手を差し出してきた。


「そっか…ありがとう、新八くん!」


私はその手を握り握手を交わした。


「…で、おまえの名前はなんつーんだ?」


「あ、えっと…私の名前は土方桜っていうの。改めてよろしくね」


「桜かぁ〜可愛い名前じゃん」


「え………土方?」


「うん?」


何故か新八くんは私の苗字に疑問を持っているようだった。

新八くんは銀ちゃんの耳元で、何かを話し始めた。


「あの、銀さん…土方って聞いたことありませんか?」


「あー?……知らねぇなあ。んな、同じ苗字のやつなんて腐るほどいるだろー」


「そうですかね…」


「いーじゃねえか!それより、桜。依頼っつーのは何だ?」


自己紹介が終わったところで、やっと本題に入り始めた。


「あ、えっと…実は私行きたいところがあるんだけど迷っちゃって。だから行き方を教えてもら」


「ただいまアル――!!」


依頼内容を話し始めて少しあと、玄関の方から声がした。


「銀ちゃん新八!おなか減ったヨ…って、誰アルか?」


わ…可愛い子!!

入ってきた女の子は、ピンク色の髪に、青い瞳。肌はとても色白でとにかく可愛かった。


「神楽ちゃんおかえり。この人は依頼人さんだよ」


「マジか!?おまえ、名前はなんていうネ?」


「え、あ、私は桜って言うの。よろしくね?」


「桜アルか!私は神楽っていうヨ。仲良くするよろし」


そう言うと神楽ちゃんは私に抱きついてきた。

わ…すっごく可愛い!!


「うん、よろし」


「ワンっ!!」


「わん?って、きゃあ!?」


突然私と神楽ちゃんの間に白い大きなものが飛び込んできた。
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