君だけの妹

□再会と過去
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「…で、何でテメーらまでいやがるんだよ!
万事屋!!」


なんだかんだで真選組屯所まで着いてきた銀さんたち。


「元々俺らは桜の依頼でここに連れて来いってことだったしー?依頼はしっかりやらなきゃだしぃー」


「変に言葉をのばすんじゃねぇよ。キメぇよ。つーか何気に桜のこと呼び捨てにすんな!」


不機嫌丸出しの土方を見て、沖田はニヤリと黒い笑みをうかべる。


「嫌でさァ…マヨでニコ中な上、シスコンなんてキモすぎですぜィ?土方さん」


「うるせーんだよ!」


今度は沖田を睨むが、既にそこにはおらず、銀さんと一緒にヒソヒソ話をする沖田がいた。


「テメーら…このドSコンビがぁあああ!!刀抜きやがれぇええええ!!!」


「さっきからうるせええええ!!病人がいるのに静かにできねーのか!テメーらは!!」


とうとうキレた新八が3人に向かって凄い迫力で怒鳴った。その声で3人とも仕方なく静かになった。


「…で、トシ。桜ちゃんだっけか?どうして倒れちゃったんだ?」


「ああ…桜は昔から身体が弱かったんだ」


そう言いながら、寝ている桜の頭を優しく撫でる。
いつもの鬼の副長と恐れられている彼からは、想像できない優しい顔をしていた。


「だから正直、最初見た時は別人だと思った。こんな所にいるなんて有り得ねーからな」


「でもめちゃくちゃ強かったぞ?病弱なんて身振り全く見せなかったしな」


「それだけじゃなくて、桜はめっさ可愛いアル!寝顔なんて襲いたいくら」


「神楽ちゃあああん!?どこでそんな言葉覚えてきたのぉおお!!」


「うるさいネ、ダメガネが」


「今ダメガネって言った?言ったよね!?」


ギャアギャアと騒ぐ2人を横目に土方は再び話始めた。


「そこが気になんだよ。あの輩をやったのは桜なんだろ?店員から聞いたが、いつの間にコイツ…」


撫でるのを止めると同時に、だんだんと桜の瞼が開いていくことに気づいた土方。


「桜!?目ぇ覚めたか…?」


「ん…お兄ちゃ……」

目を開けると、ホッとしたお兄ちゃん顔があった。


「大丈夫か桜!銀ちゃん心配したんだからな…」


「なぁ、桜って何歳なんですかィ?土方さんの弱みとか知ってますかィ?」


「桜!良かったアル〜〜!!」


「僕ってやっぱダメガネ……」


「え、あ、えっと…」


突然色んな事を言われて、私の頭は軽く混乱していた。


「ん?そういやー俺たちはまだ自己紹介してねーんじゃないか?」


「そういやすっかり忘れてやした」


「あっ……」


そう言えば、チラッと名前を聞いただけで自己紹介はしてなかったっけ。


「じゃあ俺からだ!俺は、この真選組の局長をやってる近藤 勲だ。よろしくな!」


「はい!よろしくお願いします、ゴリ…近藤さん!」


「よろしくな!…って、あれ?あれれ?今、ゴリラって」


「桜がんな事言うわけねーだろ」


「だ、だよなぁ〜あれ?目の前が霞んで……」


あ、近藤さんなんかごめんなさい。だってあまりにも似てたから……。
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