君だけの妹
□全国の兄妹の宿命
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「どうだ、トシ?試しに戦ってみては。可愛い妹の為じゃないか!」
「チッ……わーったよ!勝負すりゃあいいんだろ」
「本当!?」
「お、おう…」
「じゃあよ〜多串くんが勝ったら桜はどーすんだよ」
今まで黙ってて(ていうか忘れられていた)銀ちゃんがそう近藤に聞く。
「おい、俺は多串じゃ」
「そうだな…武州に帰るとか?」
「私はそれでもいいよ」
「えぇ〜〜!いやアル!せっかく桜と仲良くなったのにもう離れるなんていやネ!!」
「神楽ちゃん…///」
神楽ちゃんはガバッと私に抱きついてきた。
軽くシカトされた十四朗お兄ちゃんはちょっとふてくされていた。
「そんならよぉ〜桜が負けたらうちで働くっつーのはどうよ?」
「え?」
「は?」
私が負けたら万事屋で働くって…それじゃあ……。
「それじゃあ俺に何の利益もねえじゃねぇか!!」
やっぱり私たち兄妹なんだねぇ。私も同じこと思ってたもん。
「利益ならあるじゃねぇの。多串くんは隊士にするのは反対。勝ったら、隊士になることはない。ほらな?」
「ほらな?じゃねぇええ!!つーか俺は土方だ!!」
「キャッホーイ!それ私賛成ネ!新八、銀ちゃん、嫌だけど私たちはマヨを応援するネ!!」
「というわけだ。そちらさんはどーよ?」
意見のまとまった万事屋の3人は近藤を見た。
「まぁいいんじゃないか?どちらにしろ、桜ちゃんがここにいてくれるなら」
「そうですねィ。それに、土方さんを応援しなくていいのは嬉しいことでさァ」
「チッ…万事屋にやんのも気が引けるが…仕方ねぇ。それでいいぜ」
「え、いいの?」
私はてっきりまた反対されるのかと想ってた。
「俺が勝てばいい話だ。万事屋行きも勝ったら阻止すればいいからな」
……つまり。お兄ちゃんは、私が隊士になるのも万事屋の一員になるのも反対ってこと?
「…そんなこと言ってられるのも今のうちだよ?お兄ちゃん。私の実力…見せてあげるよ」
「望むところじゃねぇか」
こうして、土方兄VS土方妹の戦いの幕はあがったのだった。