君だけの妹

□兄弟って似るもんなのかな?
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…気のせいかな?

みんな、さっきより顔が青くなってる気がする。


「さっき言ったが、今回の祭りには将軍も来る。俺達はその護衛だ。かすり傷1つでもつけたら俺達は切腹だ」


・・・せ、切腹;

怖いなぁ…それほど、将軍って守るかちあるのかな?


「とにかく、きなくせぇ野郎を見つけたらぶった切れ!

責任は俺がとる!!」


「えっ…;」


お兄ちゃん…そんなこと言ったら…


「マジですかィ。じゃあ侍見つけたら片っぱしから切りつけまさァ」


そう言って刀をかまえて、お兄ちゃんを見てにやりと笑い…


「頼みますぜ」


キラーンと刀とともに、総悟から黒い光が見えた。


・・・うん。最近、総悟がお兄ちゃんをどうしたいかよくわかってきたよ。


「おーい皆ぁ!さっき言ったことはナシのほうこうで!!」


冷静にお兄ちゃんは判断をくだした。


「チッ…いくじなしが…」


本当に総悟って怖いや。


「・・・それから、こいつは未確認の情報だが…」


お兄ちゃんの目つきが変わった。

これから重要なことが話されるんだろう。周りの皆も真剣にお兄ちゃんの言葉に耳をかたむけていた。


「江戸に…とんでもねぇ野郎が来てるって情報だ…」


「とんでもねぇ…野郎?」


「いったい誰なんでィ」


総悟と私が続けて聞く。

その瞬間、お兄ちゃんの目がいつにもまして、鋭くなった。

「以前…料亭で会談をしていた幕府関係者数十名を皆殺しにされた事件…覚えてるか?」


「え……」


皆…殺し……?そういえば、ニュースとかでよくやってた気が…


「まぁ、一応は覚えてやすけど…まさか…」


「あぁ…。あれは奴の仕業だ」


奴…?一体誰のことだろう。


「攘夷浪士の中で最も過激で危険な男と言われている…高杉晋助のな…」


「高杉…晋助…?」


なんか聞いたことある名前だなぁ…。


「確か、攘夷戦争で活躍していた有名人じゃなかったですっけ?」


「あぁ。だが、今じゃただの獣だ」


攘夷戦争って言えば、桂さんもそうだっけ。

っていうことは…元お仲間だったりするのかな……。


「・・・ん?」


待てよ…もしかして、私の勘が正しければ……。


「・・・」


「…桜、なに難しい顔してんでィ」


「いΣ;いひゃいです!おひたたいひょう!!(痛いです!沖田隊長!!)」


せっかく真剣に考え事をしていたのに、総悟に頬をつねられた。


痛い!;もうちょっと手加減してくれてもいーのに!!


「ふっ…俺の辞書に、手加減なんて言葉はねェぜ?甘ェな……」


「・・・;」


なんかカッコいいこと言ってるけど、それって要するにただのSだよね?


「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか」


「…あの。私、今思いっきり心の中で言ってたんですけど?」


読唇術でも使えるのか?

どこまで謎な男なんだ、君は。


「だから、桜はわかりやすいんでィ」


「うっ……;」


そうなんだ…私ってわかりやすいんだ…


「とにかく、祭りまでは時間はあるが高杉や他の攘夷浪士も沢山いる。
目ェ配れよ」


「「はい!!」」


――――――


「うぅ〜〜!!」


外に出るなり、私は大きく伸びをした。


なんか会議室の雰囲気ガッチガチだったなぁ;あんな緊張感ももてるんだ。

それにしても…


「高杉…晋助か……」


最も過激で危険な男ってことは…相当強いんだろうな。

ちょっと会ってみたいかも。

桂さんとかも案外いたりしてww


――ガシャガシャ!


「ん?」


近くで、なにか機械を動かすような音がした。


「これでよしっと。此処ならいくら騒いでも大丈夫だろ?好きなだけやんな」


「いや…;」


あれ?この声って……


河原の下の方を見ると、そこには…


「銀ちゃん?」


「あ?…おぉ!桜じゃ「あぁ!桜〜〜〜!!」


「わっΣ」


神楽が勢いよく抱きついてきた。


「桜!見回りアルか?」


「うん。そーだよ」


河原の方に降りながら言う。


「真選組も大変なこったな」


「ぬ……?お主、真選組なのか?」


「え?」


見ると、銀ちゃんの傍に白ひげのおじいさんがいた。


「はい…真選組副長補佐兼、1番隊副隊長の土方桜です」


って…、この自己紹介何回すればいいんだろ;


「女子が真選組とはな……」


「ねぇ、この人は?」


「江戸1番のカラクリ技師の平賀さんですよ!」


「カラクリ…技師?」


見ると、バラバラだけどロボットみたいなのがたくさん転がっていた。


カラクリかぁ…あ、1体動いてる。


「コイツは三郎っていうネ!!」


「≪ギョイ≫」


「あはは!よろしくね」


凄いな〜ちゃんと言葉に反応するなんて!


「でも、どうしてこんなにロボットを作ってるんですか?」


「あぁ…コイツは将軍様の命令でよぉ」


「将軍様の?」


「今度祭りがあるだろ?それに俺のカラクリ芸を出しもんとして見せてほしいんだとよ」


今度の祭りって…もしかして、今日話された…


「あの、開国20周年記念のですか?」


「なんだそれ」


銀ちゃん達はみんな知らないみたいだ。


「なんか、開国20年目の日に大きなお祭りがあって、それに将軍様も来るって話だよ」


「祭りアルか!?わたあめ食べれるアルか!!」


「う、うん……;食べれると思うよ」


相当大きな祭りだから屋台もいっぱいでるだろうし。


…危険人物も、沢山来るだろうし。


「私たちは真選組として将軍様の警護を任されてるんだ」


「へぇ…大変だな」
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