君だけの妹

□侍の心
2ページ/9ページ

「…悪い。今…なんて言った?」


「これから」


「その後だ」


「桜と」


「もう一超え」


デートに行くんでィ」


さっきよりも総悟はわざとらしく大きな声で言った。

それが気に障ったのか、お兄ちゃんは…


「誰がテメェになんか渡すかァアアアアアア!!」


「キャアアアアΣ;お、お兄ちゃん!刀収めてェエエエエ!!」


それからなんとかお兄ちゃんは刀を戻してくれた。


「総悟…テメェ、一体何のつもりだ?」


「何のつもりも…桜は土方さんの妹の前に、俺の部下(下僕)でもあるんでィ」


・・・あのー。今、(下僕)って心の声が聞こえたきがするんですけど?


「ま、今日1日は俺の言うこと聞くって約束なんで」


「…ホントなのか?」


お兄ちゃんは総悟じゃ疑いがあるらしく、私に聞いてきた。


「う、うん…本当だよ」


「・・・なら、いい」


あれ?以外に簡単に納得してくれた。


「んじゃ、行きやすぜ桜」


そう言ってまた私の手を引っ張る。


「ひ、引っ張らなくても行くって;じゃあお兄ちゃん、行ってくるね!」


何か言い合いながら、去っていく自分の妹と総悟を後ろから見ていた土方。


「・・・総悟のやつ、本気か?」


でも、あんな奴の顔見たことねぇしな……


煙草をふかせながら、また面倒ごとが増えた…と呟いた。



――――――――


「・・・ねぇ、総悟?」


「何でィ」


「その…デ、デートって言ってたけど…//どこ行くの?」


というか、まだ手は繋いだままなんだね。

それにしても…ホント、これじゃあデートだよ。私…隊服じゃなくて着物だし…//


「とりあえず黙ってついてきてくだせェ」


「・・・はい;」


目がちょっと本気だったので私はそのまま黙って歩きだした。



―総悟side―


少しドスをきかせて言ってやった途端に、桜は静かになった。


「(ホント…素直なやつでィ)」


別に嫌なら手を離してもいいのに、俺が手を離さないからしっかり握ってるし。

はたから見たらこれ…本気で彼カノだねィ。

それはそれで、こっちには都合がいいけど。


「ねぇねぇ…あの2人、カップルかなぁ?」


「男の子超可愛い〜v真選組だよね?!」


「女の子の方は…着物だから普通の女の子、だよね?」


とかなんとか、周りのやつが話しているのが聞こえる。


桜は全く気がついてやせんねェ。

確かに、一見桜のこと見たら普通の女だけど…腰の刀が見えねぇのか?


「・・・」


「・・・っ!//」


俺が少し手をギュッと強く握っただけで、桜は顔を赤くした。


本当に男に免疫ないのか。面白ェー…


俺はそのまま強く手を握ったまま歩いた。



―桜side―


さっきから、総悟が急に強く握りしめだした。


別に嫌ってわけじゃないけど…//なんか照れちゃう…


「っと;」


突然総悟がピタリと止まった。


え・・・な、何?


「ここ、入りやすぜ」


「え・・・」


ここって…、茶菓子屋さんだよね?結構美味しくて有名な。

もしかして総悟…デートとか言ってたけど、息抜きのために…?


「何してんでィ。入るぜ」


「あ、う…うん」


私は手をひかれたまま店の中に入った。


「いらっしゃいませー」


「1組で」


「はーい♪」


・・・ん?1……組?

総悟、今1組って言ったよね?普通は2名とか言うんじゃ…


「それでは1組カップル様ご案な〜〜〜い!」


「!!?」


カ、カカカカカップルぅうううう!?//
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ