君だけの妹
□侍の心
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「…悪い。今…なんて言った?」
「これから」
「その後だ」
「桜と」
「もう一超え」
「デートに行くんでィ」
さっきよりも総悟はわざとらしく大きな声で言った。
それが気に障ったのか、お兄ちゃんは…
「誰がテメェになんか渡すかァアアアアアア!!」
「キャアアアアΣ;お、お兄ちゃん!刀収めてェエエエエ!!」
それからなんとかお兄ちゃんは刀を戻してくれた。
「総悟…テメェ、一体何のつもりだ?」
「何のつもりも…桜は土方さんの妹の前に、俺の部下(下僕)でもあるんでィ」
・・・あのー。今、(下僕)って心の声が聞こえたきがするんですけど?
「ま、今日1日は俺の言うこと聞くって約束なんで」
「…ホントなのか?」
お兄ちゃんは総悟じゃ疑いがあるらしく、私に聞いてきた。
「う、うん…本当だよ」
「・・・なら、いい」
あれ?以外に簡単に納得してくれた。
「んじゃ、行きやすぜ桜」
そう言ってまた私の手を引っ張る。
「ひ、引っ張らなくても行くって;じゃあお兄ちゃん、行ってくるね!」
何か言い合いながら、去っていく自分の妹と総悟を後ろから見ていた土方。
「・・・総悟のやつ、本気か?」
でも、あんな奴の顔見たことねぇしな……
煙草をふかせながら、また面倒ごとが増えた…と呟いた。
――――――――
「・・・ねぇ、総悟?」
「何でィ」
「その…デ、デートって言ってたけど…//どこ行くの?」
というか、まだ手は繋いだままなんだね。
それにしても…ホント、これじゃあデートだよ。私…隊服じゃなくて着物だし…//
「とりあえず黙ってついてきてくだせェ」
「・・・はい;」
目がちょっと本気だったので私はそのまま黙って歩きだした。
―総悟side―
少しドスをきかせて言ってやった途端に、桜は静かになった。
「(ホント…素直なやつでィ)」
別に嫌なら手を離してもいいのに、俺が手を離さないからしっかり握ってるし。
はたから見たらこれ…本気で彼カノだねィ。
それはそれで、こっちには都合がいいけど。
「ねぇねぇ…あの2人、カップルかなぁ?」
「男の子超可愛い〜v真選組だよね?!」
「女の子の方は…着物だから普通の女の子、だよね?」
とかなんとか、周りのやつが話しているのが聞こえる。
桜は全く気がついてやせんねェ。
確かに、一見桜のこと見たら普通の女だけど…腰の刀が見えねぇのか?
「・・・」
「・・・っ!//」
俺が少し手をギュッと強く握っただけで、桜は顔を赤くした。
本当に男に免疫ないのか。面白ェー…
俺はそのまま強く手を握ったまま歩いた。
―桜side―
さっきから、総悟が急に強く握りしめだした。
別に嫌ってわけじゃないけど…//なんか照れちゃう…
「っと;」
突然総悟がピタリと止まった。
え・・・な、何?
「ここ、入りやすぜ」
「え・・・」
ここって…、茶菓子屋さんだよね?結構美味しくて有名な。
もしかして総悟…デートとか言ってたけど、息抜きのために…?
「何してんでィ。入るぜ」
「あ、う…うん」
私は手をひかれたまま店の中に入った。
「いらっしゃいませー」
「1組で」
「はーい♪」
・・・ん?1……組?
総悟、今1組って言ったよね?普通は2名とか言うんじゃ…
「それでは1組カップル様ご案な〜〜〜い!」
「!!?」
カ、カカカカカップルぅうううう!?//