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□傍にいて
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「さてと…私もそろそろ出掛けようかな」


私はこれでも一応モデルの仕事をしている。


見ている人を楽しませることができたら…それが昔からの夢だった。

そんな仕事につきたくて、私はモデルの仕事を始めた。

メイクなどを少しして、髪を整えて外に出た。


「名前ちゃん!こっちだよ〜」


「あっ…武田さん」


武田さんは私のマネージャーさん。

モデルの仕事でスカウトしてきてくれたのもこの人なの。


「今日の仕事は割と近場だから今から行けば十分間に合うから」


「はい」


私は荷物を車の中に入れて、乗り込もうとした。

その時ー…


「名前!!」


「えっ…?」


名前を呼ばれて振り向くと何かが飛んできた。


「うわっ!?な、何…?」


手を開いてみると、小さい飴玉があった。


「飴?いったいどこから…」


「こっちでさァ」


…え?このしゃべり方は…


声の方を見ると、会議をしている部屋にいたのは、私の幼馴染。


「総悟…」


「仕事、頑張ってくだせェ」


「総悟!会議中になにしてやがんだ!!」


…あ、土方さんだ。


「別にいいじゃねーですかィ。朝からそんなカリカリしてると血糖値、高まりますぜィ。そんでさっさと死ねよ土方」


「うるせーよ!!さっさと戻れ!」


総悟はそのまま土方さんに引っ張られて、会議室に戻って行った。


「…バカ//」


ドキドキが止まらない。私は車に乗り、飴玉をふくみながら呟いた。


「大好きだよ…総悟…」


***


しばらくして車が止まった。


「はい、着いたよ〜」


「えっ、もう着いたんですか?」


「うん。言ったでしょ?今日は近場だって」


近場っていったって、近すぎな気がする。まだ出発してから5分くらいしかたってないよね。


「さぁさぁ降りた降りた!」


「はーい」


降りるとそこには見慣れた風景が目に入った。


「あれ、この辺って確か…」


「名前ちゃんにとってはかなり見慣れた場所かもね〜この辺もわかるでしょ?」


わかるも何も、この辺の近くって確か…


「ったくよーどうしてあそこはいつもジャンプが少ねーんだよ!もっと入荷してろって話だっつーの!!」


「いや、そのまえにジャンプを買うのをやめろよ」


「いい年した大人がジャンプのために走り回るなんてみっともないネ。そういうのは15歳までアル」


「うっせーな!ジャンプは男にとっちゃあいつでも少年に戻れる大事なもんなんだよ!」


この騒がしい話声は…


「銀さん!新八くん!神楽ちゃん!」


「お?」


「あ、名前さん!」


「おお!名前!奇遇あるネ」


見慣れたもなにも、この辺は銀さんたちが営
む『万事屋』がある場所だから知ってて当然。

私は銀さんたちの方に駆け寄った。


「こんにちは〜」


「珍しいなぁ、名前がいるなんて」


「はい!たまたまここらへんで今から撮影やるんですよ」


「撮影ですか〜大変ですね、人気モデルともなると」


「名前ぐらいだったら当然ネ!なんて言ったって、私が認めた女アル!!」


「いや…神楽ちゃんが認めたからって人気モデルになれるわけじゃあないから」


相変わらず新八くんツッコミするどいなぁ。


「何言ってるか新八!だからおまえは一生ダメガネなんだよ」


「なんで神楽ちゃんにそこまで言われなきゃいけないの!?」


「うっせーよテメーら!!」


思わず私は3人のやりとりを見てると笑いが零れる。

いつ見ても仲良い3人だなぁ。銀さんもなんだかんだで優しいし、他の2人も私と友達として接してくれる。

独特の雰囲気があるけど、皆私にとって大切な友達。
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