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□戦場の光
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「痛ててて!」


「暴れないでよ銀時!」


「そ、それならもう少しソフトにしてくれよ!」


手当てをしてくれるのは嬉しいんだけどよ、相変わらず容赦ねぇ。


「よし、腕は終りね!ってことで…銀時。服…脱いで?」


「……え」


ちょっ…なっ…脱げ…だってェェェ!?なんて大胆な発言しやがるんだ!
確かに名前のことは好きだけどよぉ。むしろ俺は脱ぐより脱がす方が…


「ふごぉ!」


ちょっとパニクっていたら後ろから思いきり殴られた。
まぁ、こんなことするやつは1人しかいないんだけどな。


「なっ、何するんだよ!高杉!!」


「それはこっちの台詞だ…なにヤラシイ妄想してんだよ…」


「べべべ別にヤラシイことなんて…」


「それじゃあその焦りっぷりはどう説明するのだ?」


ここでヅラが参戦してきた。


「こ、これは…あれだ、その…。糖分が足りねぇだけだ!!」


「どんな体質をしてるんだ、貴様は」


「名前、こんな変態放っておいて俺の部屋にこれから来ねぇか?」


「へ…ていうか、3人して何をごちゃごちゃと……」


おーい高杉〜、いやエロ杉〜。おまえだから!危険なのは俺よりお前だから!!


「とにかく銀時!ほら、とっとと脱いでよ!手当てできないでしょ?」


そう言って俺の着物に手をかける名前。


「だぁあああああ!いい!自分で脱ぐからお前は何もするな!!」


俺はそんな名前の手を振り払い、遠ざかった。


「そう?それなら、早くしてよね!」


「(危ねぇ〜…)」


危うくもう1人の俺がピークに達する所だったわ。たくっ…コイツは色んな意味でヤベェよな…ホント。


「名前、終わったぜ」


着物を上だけはいだ。

怪我した所は腹よりちょっと上あたりだし十分だろ。


「ん、じゃあとりあえず消毒して…」


「っ!///」


名前の細くて綺麗な指が俺の腹を撫でた。

うっわ…なに、このおいしい状況!ヤベェ…俺かなり幸せ…。


「チッ…俺も怪我しとけばよかったぜ…」


そんな高杉の呟きが聞こえた。いい気味だぜ…。


「消毒終わり!後は…よっと…」


「なっ!?」


「わっ!ちょっ、急に動かないでよ銀時!」


俺は今さっきの名前の行動に退いてしまった。

だ、だってよぉ…!こっちに抱きついてきたんだぜ!?
や…正確には、包帯を巻くために抱き締めてるみたいな体制になったかんじ。

でも、問題はそこじゃない。


「(そういう体制とられると、当たるんだよな………胸が//)」


「銀時どうしたの?…もしかして、痛かった?」


「い、いや…別に…」


「そ?じゃあ…んしょっと…」


「・・・///」


俺はしばらく我慢することにした。

あぁ〜…でも、これはやべぇわ…つーか何気にコイツ、胸デケェな…。顔はまだガキっぽい顔してんのによぉ。やっぱ女……!


「!?」


その時、俺は近くから殺気をめちゃくちゃ感じた。もちろんそれはヅラと高杉。
さっきのこともあってか、突っかかっては来ねぇけど…。


「(銀時…許さねぇ…。後でぶっ殺す…)」


「(銀時め…名前に対して、なんて破廉恥な…)」


「………」


ヤベェ…。俺、今日こそ殺されそうだ。


「ふぅ〜手当て終了!!」


俺が殺気におびえてる間、どうやら手当ては終わったらしい。


「ありがとな…」


「うん…って、なんでそんな青ざめてるの?」


後ろの2人のせいです。


「名前、銀時のことなんか放っておいて今度は俺の手当てしてくれ」


「へ…晋助も怪我したの?」


「まぁな」


いや!かすり傷ぐらいだろうが!!

そうツッコもうとした時…


「アッハハハ!なんじゃおぬしら!楽しそうじゃきに〜」


「……辰馬」


少し遅れて辰馬が、いつものバカ笑いで入ってきた。

っとによぉ…こいつはいつもいつも…


「おっ?金時、怪我したんかぁ?」


「銀時だ!!たくっ…ちょっと切られただけだ」


「ほぉ〜」


自分から聞いといてそれかよ。全く、コイツといると疲れるなぁ。


「…と、そうだ!私、刀の手入れしてなかったんだ。じゃあ、銀時はちゃんと安静にしててよね!!」


そう言って俺の部屋から出ていっちまった名前。


「おい名前!俺の手当てのこと忘れてんじゃねえよ!!」


「へ?あぁ…忘れてた」


追いかけていった高杉と名前の声が段々と遠ざかっていく。
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