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□★イジワルな愛
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「痛っ…」
総悟の部屋に着いたと同時に、痛みがあたしの腕にはしった。
痛いけど…今はそんなことより総悟の手当てを先にしなきゃ!!
あたしは急いで救急セットを取りだし、総悟を布団に寝かせた。
とりあえず上着を剥ぎ取る。見るとそこまで深い傷じゃないみたい。
「よかった…でも、急いで手当てしなきゃ!!」
でも、やっぱりなんていうか目のやり場に困る。
今さら何を恥ずかしがってるんだろ…!裸は見慣れてるじゃん…//
「って!そうじゃないってば!」
あたしは頭のモヤモヤを振り切り、グッと総悟の顔を見た。
「し…失礼します!!」
そう言ってあたしはスカーフを取り、ベストを取り…ワイシャツに手をかけて…
か、かけ…て…。
「ぐっ……!」
ヤバいぞ…なんか、なんか。セクシーだよ…。
って、だからそんなこと考えてる場合じゃないって!!
「すみません…!//」
何故か敬語でしかも一礼して、あたしはワイシャツを取って、消毒をし始めた。
「うわ…」
見た目より結構斬られてるみたい。腕とかだけでなく、お腹の辺りにもいくつもの切り傷があった。
ホントに大変だったんだな…今回の戦い。
「…って、今落ち込んでる場合じゃないって!!」
あたしは顔をふって、とりあえず脇腹の1番大きい傷口に消毒液を近づけた。
すると、
「んっ…!」
「!?」
染みたのか、総悟が少し声を漏らしたので思わずそれに反応してしまった。
ななななななな!い、色っぺぇええええ!(ハァハァ//←
・・・ハッ!思わず取り乱しちまった…//
「そうだよ…マズは手当てが先!!」
そしてあたしはその後も、自分との格闘を続けながら手当てを続けた。
***
「お、終わった………」
もう…いろんな意味で疲れたよ。
足の方も怪我してたらしく…ズボンも脱がせたりしたし。
「あぁ…下手すれば、あたしが襲ってるみたいじゃん…//」
いつも脱がされる立場だから、脱がすのは勇気がいるんですよ。
「さてと、他の隊士たちの様子でも見てこようかなぁ…」
あたしは救急セットを持って立ち上がろうとした。
その時、何かに引っ張られて、あたしはそのまま倒れこんだ。
「うわっ!?」
痛たた…何回目だよ、このセリフ。
というか…ん?なんか、抱きしめられて…?
「彼氏が痛がってるってのに、他の男の所に行くんですかィ?」
「っ!?」
う、うそ…この声は…!
「そ、総悟!?」
後ろを見ると、総悟がふてくされた顔をして、あたしのことを抱きしめていた。
「デケェ声だすなよ…傷に響くんでィ」
「あっ、ごめん…」
でも…いつの間に起きてたんだろ?
「それにしても…名前、案外エロイんですねェ?」
「………ぇ」
はい…?え、エロ……?
「な、何が…?」
つーか総悟にエロイとか言われたくない。
「何って…俺のことを半ば襲ってたようなもんじゃねェか」
も、もしかして…!
「総悟…あたしが手当てしてるとき…?」
「意識ありやしたぜ?」
最悪だ。今目の前が真っ暗になった。
「〜〜〜〜っ////」
きっと、いや…絶対に今のあたしの顔は真っ赤だろう。
だって…あの呟きもすべて聞かれてたなんて!!
「…総悟のバカ……//」
「んな赤い顔で言われても、説得力ないんでィ」
「だだだだだって!!///」
「そんなに俺は色っぽかったですかィ?」
「!?///」
あたしはそのシーンを思わず思い出してしまった。
そんなあたしの顔を見て総悟はめちゃくちゃ笑っていた。
くそぉ…でも本当のことだから何も言い返せない!
「そ、そう思ってたら悪い!?」
もうこうなったらヤケだ!!
そうだよ!あたしは総悟の色っぽさにときめいてましたよ!!
「ふーん?」
「な、なに……?」
笑い終わったかと思えば、今度はあたしのことをジーッと見てきた。
今度は一体何をしようとしてるわけ?
それにしても、今の格好(上半身裸)も色っぽいなぁ。
「名前は手当てしながら俺の体で楽しんだんだよなァ?」
「……はぁっ!?///」
ちょっ!読者に誤解を生むような発言はやめてェエエ!!
それじゃ、まるであたしが弄んだみたいじゃないか!!//
「楽しんだっていうか!あたしは純粋に手当てを―…んっ!?」
突然、総悟があたしの口をふさいできた。
ふ、不意打ち禁止だってばァアアア!!
「はっ……、なっ…///」
「今度は俺の番でィ」
「……はい?」
お、俺の番って…ま、まさか。
「楽しませてくれよな、名前?」
えっ……嫌な予感っていうかフラグが立ちまくりなんですけど。