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□願うなら
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「どう責任とってくれんのよ…」


「名前さん、笑顔が怖いです…」


あれから着替えをして、私は仕方なく銀時たちの座る席についた。


「そうだなー、じゃあ結婚でってのは?」


「殺すよ?」


「いや、あの…冗談です」


私が懐から出した小刀を首につきつきけたら、すぐに謝ってきた。


「まったく…これから店に顔出しづらくなったじゃない!」


「…オマエ、まだんなもん持ってんだな」


「話しをそらさないでよ。…まぁね」


「捕まるぜ?真選組だって、きっと怪しいと思って名前のこと調べるだろうしな」


「…わかってる」


私は注文したホットココアを飲みながら、答えた。


「あのー前から気になってたんですけど、銀さんと名前さんはどういう関係なんですか?」


「馬鹿アルか?男と女の関係なんて1つに決まってるネ!」


「え…じゃあ元カノ…」


「新八くん?いくらなんでも、それは許されないよ?」


私がドスをきかせて、笑顔で言うと新八くんは真っ青になった。


「すみません…ていうか、名前さん。本気で笑顔が怖いです」


「おいおい…オマエのは高杉じこみなんだから、やめとけよな」


「…そうね」


馬鹿みたい。一瞬、銀時が言ったアイツの名前に反応してしまった。


「え…高杉って…」


そっか、新八くんたちには『銀時の古い友人』としか伝えてないんだっけ。


「私はね…銀時たちの戦友なの」


「戦友アルか?」


「それって、まさか…」


新八くんはすぐにわかったらしく、信じられないといったような顔をしていた。


「そう。私はね、攘夷戦争に参加していたの」


「お、女の人なのに…?」


「私を甘く見ないでよね?これでも結構強いんだから!」


「でも……」


まぁ新八くんが納得しないのもわかるけどね。私は年のわりには小柄なほうだし。
見た目も華奢だからね。


「名前が強ぇのは本当のことだぜ?」


今まで静かにパフェを食べていた銀時が口を開いた。


「なんたって、コイツはあの鬼兵隊の副官だからな」


「き、鬼兵隊アルか!?」


その神楽ちゃんの声は、店に響き渡った。


「ばっ…!テメーは声が大きいんだよ!!」


銀時が神楽ちゃんの口に、アイスをつっこんだ。

周りの人が随分騒いでいる。
私が鬼兵隊ってことまでは伝わらなかったみたいだけど。


「でも本当に凄いんですね…名前さん」


「そうかな?」


「じゃあ、あの高杉晋助の部下だったってことですよね?」


その言葉に、また言葉を詰まらせてしまう。
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