Short

□一生分のプレゼント
2ページ/7ページ



「誰か手頃な人いないかな…」


とりあえず教室に戻ってみたら、案の定ほとんどの男子が教室にいた。

うちの男子って見た目は完璧!な人、そこそこいるよね。
きっと誕生日プレゼントとか半端なく貰ってるはず。


「よし。やっぱりまずは風紀委員メンバーに聞こう」


3Zの風紀委員と言えば、モテる2トップ2人がいるしね。


「あ、山崎!!」


「ん?どうしたの名前ちゃん」


「風紀委員メンバーは山崎だけ?」


「いや、今他の3人は購買に……」


「なんだ、山崎帰ってたのかィ」


噂をすればなんとやら、風紀委員トリオが返ってきた。

うん。やっぱ見た目はカッコいい2人だ。
まぁ、一応私は晋助でそういう美化オーラは見慣れてるんだけどね。
てか、あれ?なんか1人……。


「顔がパンパンなゴリラいるけど大丈夫?」


「あぁ、気にするな」


慣れたからいいけどね。どうせアレでしょ、また妙ちゃんに飛びついたんでしょ。


「それより何でこんな所に名前がいるんでィ」


「志村たちと一緒じゃなくていいのか?」


「そうだぞ!ただでさえお妙さんとランチなんて優遇」


「ちょっと聞き込み調査中」


ゴリラ(近藤)は無視しておこう。めんどくさいし、沖田と土方もそうしてるし。


「聞き込み調査ァ?」


「なんだよ、事件か?」


「事件ていえばそうだね…一大事だよ!」


私の貞操が!あ、いや命が!!


「ね!2人が女子からもらったら嬉しいものってなに!?」


「「……はぁ?」」


いや、2人して変な目で見るのやめてほしいんだけど。これでも私真剣に聞いてるんだけど。


「とうとう名前も俺に惚れやしたか?」


「誰がだ。違うから、そういうんじゃないから」


「じゃあそんなこと聞いてどうすんだよ」


「ほら、今日って晋助の誕生日でしょ?」


「晋助……って、高杉のことかィ?」


「そうだよ。だから何をあげればいいのかと思って」


「答えたくねぇ」


「………へ?」


え、なんで突然土方はこんなに怒りだしたの?なんか私気に障るようなこと言った!?


「土方さん…ていうか、風紀委員に高杉の名前は禁句だぜ?」


「えっ、なんで!?」


「アイツは風紀委員の標的だからねェ」


あぁ、なるほど。晋助って、全身校則違反みたいなもんだもんね。
喧嘩はするし、サボするし、派手だし。


「とりあえず私情いれないで協力してよ!」


「………」


「ひーじーかーたーぁー」


「〜〜〜〜わかったよ」


渋々土方は協力してくれるっぽい。

うん。やっぱりいい奴だね!


「で?どんなのが嬉しいの?」


「マヨネーズ」


「自由権」


「……あ?」


はぃ?なに、え、マヨに自由…?


「なんですかソレ。ボケてんの?ねぇ、馬鹿にしてんのかコノヤロー!!」


「何言ってんだ、超大真面目だっつーの」


「これの良さがわからないなんて、時代遅れですぜ?」


「いや、まぁマヨはわからなくもないよ?土方だし。でもさ、沖田のは何?」


自由権って。それって憲法じゃん。


「そこまで大それたもんじゃねェから。俺はその相手の自由をもらいたいんでィ」


「え、プレゼントくれる女の子達全員の?」


「んなわけねーだろ。面白い奴だけでィ」


うん、確かにこれもこれで沖田らしいけどね。
さすがサディスティック星の王子様って言われてるだけあるよ。


「要するに、2人とも自分の趣味系のものが1番嬉しいと?」


「まぁそういうことだ」


「ってわけで、今度俺の誕生日の時は名前の自由権くだせェ」


……沖田のは聞かなかったことにしよう。そして忘れてくれることを願おう。


「んじゃ、ありがとうね!一応参考にさせてもらうわ!」


お礼を言ってとりあえず私は教室を出る。

あれ?そういえば何か忘れてた気が。ま、いっか!さてと、次は。


「屋上にでも行くか!!」


一方教室では……。


「名前のやつも素直じゃねぇな…」


「高杉の奴もある意味で該当してやすがねィ」


「……俺、ゴリラで終わっちゃった。何も質問されなかった。クスン…」


「近藤さん、いい歳して泣かないでくれよ」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ