Short

□これが俺の本気
2ページ/6ページ



「ホントだって!もっと自分に自信持った方がいいぜー?」


「ありがとおじさん。頑張るってことで手を離してもらえません?」


「いやーそれは無理だな。譲ちゃんが俺達にちょっと体を見せてくれるまではなぁ?」


そっちにいったか、このエロ親父ども。
銀さんもかなりエロイけど…まぁ、あれは彼氏だから。気持ち悪いとは思わない。


「すみませんが私には心に決めた人がいるんで体は売れません」


「へぇー?でも俺達は君の体がどうしても見たいんだよぉ〜」


どうしようキモい。野次馬の周りの人たちも若干引いてるし。
仕方ないか。そろそろ本気出そう。


「いい加減にしないと本当に骨折りますよ?」


「冗談はよしなよ譲ちゃん?譲ちゃんにそんなことできるわけー…どわぁっ!?」


「はい、いっちょあがりー」


腕をつかんでいたおっさんを私はとりあえず投げといた。
周りの人は驚いて口が開いてしまってる。私のことを知ってる人は拍手してるけど。


「なめんなよおっさん。私、こう見えて剣術とか色々やってて昔から男勝りなんだからな」


今はだいぶ落ち着いたけどね。


「この…なめやがって!!」


「おっ?」


おっさん2人が取り出したのは日本刀。

ありゃ…どうやらこの人たち、攘夷志士みたい。


「めんどくさいことになったなぁ…」


生憎今日は木刀も日本刀も持ってない。素手でやるのはちょっと厳しい。


「覚悟しやがれぇええええ!!」


男が刀を持って向かってきた。

ヤバいな…私が避けたとしても、これじゃあ誰かに当たっちゃう。白刃取りって…できるのかな?
ヤバい…ちょっと怖いかも。


「どりゃあああああああ!!」


駄目だ…やっぱできない!

ぐっと目を閉じた瞬間、次に聞こえたのは肉を斬る音でもなく、血が溢れる音でもなく。


「テメェら…こんなところで何してやがるんだ!!」


聞きなれた…ってわけじゃないけど、たまに聞くこの低い声は。


「土方……さん?」


上を見上げれば、瞳孔かっぴらいた鬼の副長さんがいた。

って、あれ?この状況…え、あれ?抱き締められてる?


「うわ?!え、な、土方さん何を…!!//」


「うるせぇ黙ってろ!テメェは武器持ってねーんだから大人しくしてろ!!」


「はぃ!副長!!」


あ、思わずなんか隊員みたくなっちゃった。おー仕事の時はちゃんと副長なんだね。

それから数人の隊士がおっさんたちを抑え込み、現行犯逮捕された。


「ふー危なかっ…だぁ!?」


安心して汗をぬぐっていたら、頭を結構強い力で殴られた。後ろを見れば予想通りの方がいた。


「総悟………」


「余計な仕事増やしてんじゃねーよ、馬鹿女」


「誰がバカだってェ!?」


たくっ!失礼な男だな…これでも私の方が1個年上なんだぞ?!


「馬鹿だろ、女のくせに白刃取りなんてできるわけねーだろ」


「や、やってみないとわかんないじゃん!」


「お前らその辺にしとけ。うるせーんだよ!」


土方さんの怒鳴り声によって私達の喧嘩?は終わった。


「たくっ。お前アイツに似て、毎度毎度事件に絡んできやがって…」


「銀さんの不憫さがうつったのかもね」


「笑い事じゃねーだろ。とりあえずお前も事情聴取すっからな」


「えー!?」


てかそろそろ帰んないと、銀さんに心配されるし…アイスが飲み物のになる。


「今日は見逃してよ!その代り明日…うわっ?!」


交渉していたら、後ろから突然何かがのしかかってきた。

え…総悟か?いや、前にいるし。ってことは…。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ