Tout le monde est un ami!

□第一章 無事を祈って。
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小さい不思議な生き物がいた。

そう、私よりも小さなそれは私に話しかける。

『誰』 ―と…。

だから、自己紹介をした。



「私は、雪乃 咲夜。咲夜でいいよ。」



なのに…、彼等は驚いた顔でこっちを見ていた。



「??どうしたの?私、自己紹介したよ??」

「いや…、オレ達の言葉が分かるのか?」

「??うん。分かるよ?」

「珍しい人間…。俺達の言葉が分かるなんて…。」

「って言うかあんたはこんな所でどうしたんだ…って。」



赤い彼は何かに気付いた様で、考え込んでしまった。



「…気にするな。いつもの事だ。」

「うん。そういえばまだ貴方達の名前聞いてないよ。」

「………。俺達を初めて見たか?」



なんかこの女の子に違和感を感じる…。

俺は何故か直感でそう感じた。



「うん。私、あんまり外を出歩かないから、君達を見たのは初めてだよ。」



その言葉に納得。

何処かのお嬢様かそんな所だろう。
と自己完結させると隣の相棒を叩く。

意識がこっちに戻ってきた彼は、なんだと言いたげにこっちを見る。



「自己紹介。」

「は?自己紹介って…なんでまた…」



オレ達の事ぐらい分かってるだろと顔が物語っている。



「ごめんね?名前、教えて欲しいな。」

「///」



彼女の仕草に2人は赤面する。



「///種族名は…バオップ。」

「モノズ」

「バオップに……モノズ。うん。分かった‼」



ニコニコしながら頷く彼女に見とれる。



「そういえば、ここ、何処⁇」

「は?」

「皆は?花梨や玲奈達は?」



2人を見るけど知らないって顔してるし…。



「他にも一緒にいた奴が居るのか?」

「うん。友達があと4人居るはず。」

「もしかして…迷子か…?」

「うーん。かも…。」

「……。」



俺達は後ろを向いて会議を始める。



「ど、どうする?相棒。」

「どうするったって…。彼女、あまり出歩かないから俺達の事知らなかったし。」

「もしかして…お嬢様って奴か?」

「俺もそう思った。だから野生である俺達が隣りに居たらマズイんじゃないか?」

「だよな…。でもよ…。」

「分かってる。…放っておけないんだろ?」

「あぁ…。」

「だったら、邪魔にならない程度について行けば良いんじゃないか?見た所、手持ちも持ってきてないみたいだし…。」

「そうだよな…。よし!」



2人は話が終わったようでこちらに振り返った。

彼等曰く、途中までついて行きたいとの事だった。



「いいよ。でも、何処まで行くの?」

「あ、…ま、まぁいいじゃん。そこら辺はさ。」

「うん?分かった。じゃあどこ行こうか?」

「そっか、迷子だったな。なんか場所の地名や建物の名前。覚えてる名前を言って見て。」

「うん。私、アリス学園にいたの。今日はアリス祭だったんだけど…。気がついたらここに居たんだ。他の友達も一緒にいたはずなんだけども。」

「………。なぁ相棒。聞いた事あるか?」

「いや、ないな…。」

「そっか、あまり有名な学校じゃないから知らなくても可笑しく無いよ。」

「取り敢えず、咲夜の友達を探すのが先決だな。咲夜と同じで迷子になってるかもしれないしな!」

「そうだね。ありがとう2人共。」





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