Tout le monde est un ami!

□第五章 彼女の涙と弱点。
1ページ/6ページ

「よーし!着いたーーーーっ!」



大きな伸びをしながら咲夜は叫んだ。



「おいおい。恥ずかしいからやめてくれ。」

「着いたーーーっ!」

「お前も乗るな!」



パシンと頭を叩く玲奈。

頭を押さえ、痛そうにしている花梨。

それを尻目に私は早速景色を楽しんでいる。

!あ、あんな所に何かある。

興味を持ち、数歩歩くと鞄の中から、音がする。



『おいおい。いきなりどこに行くんだよ。』



私の首根っこを捕まえているのは深紅。

勿論ポケモンのバオップって言う種族名なんだけど、何故か人型を取れる様になったのだ。

だから私の身長で首根っこを掴むなんて容易い事なんだって。

でも実際に擬人化を見たのは深紅達が起こした時からは初めてなの。

………そういえば私、このメンバーで1番小さいかも…。



「あっち!あっち!深紅!あれあれ!」



子供みたいに目を輝かせ、オレは指が指されている方向を見ると、一見、普通の建物だ。



『あれがどうかしたのか?』

「なんか、探険の臭いがするっ!」



輝かしい程、目を光らせる咲夜にうっ…と唸りどうしたものかと思っていると。



「咲夜さ〜ん?街に来た1番最初はど〜するんでしたっけ〜?」

「勿論!探、むぐっ」

『今は、素直に従った方が身の為だぞ…』



コソコソと小さい声で助言する深紅。

だけど…!



「玲奈〜。でも〜。」

「でもも、ヘチマもありません!!早くPCに行く!」

「うわーーーん!深紅〜!ヘルプミー!」



今度は玲奈に首根っこを掴まれ、引き摺られて行くご主人様を目にし、苦笑いを零す。



『あーあ。だから言ったのに。』



思わず笑いが出て来そうになったのを手で抑え、皆の元へ行く。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ