Tout le monde est un ami!
□第一章 無事を祈って。
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「うわぁ…これなーに!可愛い!」
数分前の話から一転。
先程とは違う様子に2人は驚いていた。
―というより慌てていた。
咲夜が可愛いと言ったのは野生のポケモンであり、相手はいかにも警戒している。
危ないと分かっていないのか、近付いては撫でてを繰り返す彼女にヒヤヒヤしては慌てて近寄り、危ないと話すのだが好奇心旺盛な彼女の耳に届く事は無かった…。
次々と野生のポケモン相手に撫でて行く行為をやめない。
だが、運がいいのか今の所小さい弱いポケモンばかりだ。
と思ったのも束の間。
咲夜が触っているのは…
「まずい‼あれはフシデだ‼」
小さいと言ってもあの凶暴な尻尾の先には猛毒があるのだ。
「‼ちょっと、待ったぁぁぁ‼」
一際大きな声で叫び、走るが絶対に間に合わない‼
一瞬嫌な映像が頭をよぎる。
が。
「いいこだね〜。よしよし。」
咲夜が撫でるとたちまち懐いていく。
足に擦り寄っているでないか。
「な、なんだよ…、骨折り損のくたびれ儲けかよ。」
「でもさっきから草タイプや毒タイプに懐かれてるな。」
「…草タイプや毒タイプ…。そうか‼匂いじゃないか?」
「匂い?…まぁあり得ない事はないが…。」
「どうしたの?」
何やら話し込んでいる2人に近付き、聞いて見た。
「咲夜ってさ、いい匂いがするよな。」
「直球だね…。」
「なんの匂いかわかる⁇」
2人はしばらく考え込む。
「なんだろう…甘くも無いけど、ハッカみたいなツンとする匂いでもない。」
「…降参。」
肩を竦めて分からないと意思表示をする。
「ふふふ。答えはラベンダーでした。」
「言われてみれば確かに…」
「そんな匂いがするよな。」
「この匂いは苦手?」
「///いや、嫌いじゃない。」
笑いながらお礼を言うと途端にまた、顔が赤くなった。
大丈夫かな⁇
「だからあいつらが懐いていたのか…。」
「だけど、刃向かってくる奴もいるんだ。程々にしてくれよ。」
心配してくれる2人に改めて感謝の気持ちを伝える。
笑顔で二人とも頷いてくれた。
本当にありがとう…。
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