Tout le monde est un ami!
□第四章 擬人化と出発と、仲間と。
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「でも、相性でもう勝ったも同然だよね!」
「いや、分からないぞ?」
「意外に相手の粘り勝ち!ってパターンも無くはないからな〜。」
「粘り勝ちって…、しぶといって事だね!」
「……。なんか、物も言い様だなって思ってしまった…。」
「同感…。」
肩をすくめながら意思表示をする2人。
え、違うの?
首を傾げると審判の一際大きい声が聞こえて急いでフィールドを見たけど、もう勝負がついていた。
「あー、私、バトル見落とした…。」
「だな。すぐ決着がついたみたいだしさ。」
「結局、花梨の方が相性ともに良かった…と。」
ポッドのバオップが無残にも倒れている姿を見て、私も深紅も思わず顔をしかめてしまった…。
ごめん、花梨。
君の応援はしてたけど、これは完全に不可抗力なのです…。
その日の晩…、PCにて。
あの後、バトルを見てないと知った花梨は少し機嫌が悪くなってしまったが、
ジムバッジを手に入れてその嬉しさの方が上なのだろう…、説教は無しの方向で行きそうです…。
「玲奈はジムに挑戦しなくて良かったの?」
「ん?あぁ、そういうのは興味ないんだ。こいつが出たいってんなら出るけどな。そういう、咲夜はいいのか?」
「うん。私もいいや。とにかく旅を楽しみたいから。」
「そっか。ま、理由なんて人それぞれだからな。……さて…と。さっさと風呂入って寝ようぜ。どうせ明日は此処を出るんだろ?」
「え?もうサンヨウシティ出ちゃうの?」
「あぁ、もう用事もないしな。それに早く、瑠璃達も見つけないと」
「まだ、見つかってない奴がいるんだ?」
「うん。瑠璃と杏奈がまだ見つかってないんだ。…2人とも無事だと良いんだけど…。」
大丈夫だって。
咲夜達が信じなくて誰が信じるんだよ。
そう、言われ顔をあげる。
深紅の顔は優しく、心の底から大丈夫な気がしたんだ。
「ありがとう!深紅。そうだよね。」
「そうと決まったら明日に向けて寝よ〜ぜ。」
玲奈は早くも自分の部屋に行こうとしている。
続いて花梨も後を追う様に海と一緒に出て行った。
いきなり静かになった部屋でお互い顔を見合わせる。
「…寝るか。」
「…賛成。」
「早く早く!2人とも」
よく見るとベッドで横になり、こちらに手招きしている。
「
「早っ!」
」
素早いその行動には目を向く所もあるが、今は明日に備えて寝た方が良さそうだ。
「って、……一緒のベッドで寝るのか?」
「一応俺達も男なんだけどね。」
「何ぶつくさ言ってるの?早く早く!」
そう言って彼女は布団を少しめくり、ここに入れと言う。
「いや…だけどさ…///」
その行動に赤面して動かずにいると、彼女がしびれを切らしたのかオレ達を抱えてベッドに入り込んだ。
「ん〜、あったかい〜…。」
ギュッと抱き締めてくる咲夜に身動き取れず、そのまま硬直状態になってしまっていた様だ。
そのままの力で咲夜が何も喋らない所を見るともう彼女は寝たのだろう。
少し顔を上げて見ると、すやすやと寝息を立てて案の定、こっちの気も知らないで寝ている姿が目に入る。
「……男として見られてないって奴だね。」
「…だな〜。これじゃオレ達が寝れないぞ。」
「そこは、なんとかして…」
山茶は身じろぎすると腕の力が少し弱まったが、
「……って、行か、ないで…。……ひとりに。しな、いで………。」
泣きそうな声に、思わず身を固くする。
「…、淋しいんだろうな…。」
「だね。…今日だけは仕方ないな。」
そう言って今夜だけ、二人は精一杯咲夜に近づいて抱き締めて寝た。
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