雲と嵐の恋愛事情

□D
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※前回の雲雀視点※







爆発音と共に、目の前の壁が砕け散る


その先に居たのは、雑魚二匹と傷だらけの……獄寺隼人




「…元気そうじゃねーか?」


久々に聞いた、彼の声


「この二人…貰っていいの?」

「好きにしやがれ」



すると、一瞬だけ彼と目が合う

僕は駆け寄りたくなる衝動を抑えるかのように、目を反らした


それと同時に、怒りが込み上げてきた

彼を傷つけた…雑魚二匹


自分の傷の痛みも忘れて、咬み殺した













「傷だらけだね、君」

「てめぇ程じゃねぇ…六道骸にやられたのか?」



その名に、自然と眉間にシワが寄る

ああ…そう言えばそんな奴もいた

僕としたことが、この子に夢中ですっかり忘れていた



「あんな奴、桜さえなければ…」

「桜?この時期にか?」

「どんな手品かは知らないけどね」

「ふーん、じゃあちょうどよかった」



そう言って彼が差し出した紙袋、中身は……薬?



「サクラクラ病の処方箋だ。感謝しろよ、男はみないシャマルから無理矢理貰ってきてやったんだからな」

「君…が?」



僕の為に?



「かっ、勘違いすんなよ!?てめぇーの為じゃねーからな!!」



真っ赤になりながら弁解する君が、あまりにも可愛くて…

僕は、ニヤケそうになる顔を慌てて引き締めた






手に入れたい

君の全てを




映したい

君のその瞳に、僕だけを






でも今は、君を傷つけた原因である六道骸を咬み殺す



その後は…


覚悟しておいてね?





もう、遠慮なんかしてあげないから…―――





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