雲と嵐の恋愛事情

□E
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※ヴァリアー編突入※







シャマルとの修業も上手くいかず、俺は久々に訪れた学校で何時ものようにタバコを吸おうと屋上に足を運んだ



「スモーキンボムじゃないか!?」

「跳ね馬?」



しかし、そこには跳ね馬ことキャバッローネファミリーのボス、ディーノが居た



なぜ並盛に跳ね馬が?

そういえばヒバリの家庭教師は跳ね馬だとリボーンさんが言ってたな



「久しぶりだな〜。元気にしてたか?」

「お前らこんな所で修業してんのか?」

「そうなんだよ、学校傷つける度に恭弥がキレて怖いのなんのって…」



え……恭弥?



「へ、へー。あいつを名前で呼ぶなんて随分親しくなったんだな」



なんだ……?

胸が締め付けられるように痛い



「なんだヤキモチか?だったらスモーキンボムの事も隼人って呼んでもいいか?」

「馴れ馴れしく呼ぶな!つーか誰が誰にヤキモチ妬いてんだよ!?」

「隼人が、恭弥に!」

「妬いてねー!!!」

「赤くなっちゃって可愛いなぁ隼人は」

「可愛いとか言うな!ってか抱き着くな!!」




ガチャ


すると、屋上の扉が開く

そして、そこに居たのは…




「何してるの?二人共」

「ヒバリ!?」

「おー恭弥。風紀委員の仕事は終わったのか〜?」



ヒバリが現れたのは俺がちょうど跳ね馬に抱き着かれている所

ヒバリに見られたのが妙に恥ずかしくて、跳ね馬を突き放そうとした


が、相手は仮にもマフィアのボスだ

俺の力じゃ微動だにしなかった



「いい加減に離せ!」

「なんだよ、照れるなって」

「照れてねぇ!」



俺が必死で抵抗していると、ヒバリがトンファーを跳ね馬目掛けて振り下ろした

おかげで俺は跳ね馬から開放された



「うわぁ!危ないな恭弥」



ヒバリはトンファー片手に跳ね馬を睨み付ける



「恭弥……お前もまさか…」

「………」



跳ね馬が何を言いのか俺にはわからなかった

でも、ヒバリにはわかったようだ



「ふーん、そういう事か」

「やっぱり貴方ムカつくね。咬み殺していい?」



なんだか一触即発

俺は訳もわからず睨み合う二人を眺めていた


すると突然、ヒバリが俺の腕を掴んだ



「お、おいっ」

「ちょっと来て」



半ばヒバリに引きずられるように屋上を出ようとすると、跳ね馬と目が合う



「隼人!近くに旨いイタリア料理屋が出来たんだ。修業が終わったら一緒に行こうぜ。そろそろ母国の味が恋しいだろ?」

「あ、ああ…」


俺がそう返事をすると、俺の腕を掴むヒバリの手に力がこもる


俺はそのまま応接室に連れていかれた





***



「おい、ヒバリ!何なんだよいきなり!!」

「君、あの人と仲良いの?」

「あの人?跳ね馬の事か?別に仲良かねーよ」

「でも、名前で呼ばれてたじゃない」

「知るかっ!あいつが勝手に呼んでるだけだ!!」

「ふーん、じゃあ僕も呼んでも構わないよね?」

「へ…?」




「隼人」





ヒバリは俺の目を見つめながら俺の名を呼んだ

俺も、ヒバリの瞳から目がはなせない




体が熱い


なんだこの感情


ただ、名前を呼ばれただけなのに




跳ね馬の時と……全然違う




「馴れ馴れしく…呼んでんじゃねー!!」



俺は勢いよく応接室を飛びだし、保健室に駆け込んだ



「隼人?どうしたんだよ、顔真っ赤だぜ?」



ほら、やっぱり

シャマルに呼ばれてもなんともねぇ





じゃあこの感情は何なんだ?


俺にとってヒバリは……



天敵じゃなかったのか――?





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